ひとりごと(2016年分)

2016年12月29日(木)               「2017ピアノ・デュオのプログラム」

結局前回より2か月経ってしまいました・・・お待たせしてごめんなさい。

南大阪の熊取より更新しています。年末恒例、子供さんたちのクリスマスコンサートのお手伝いと熊取合宿ですが、あっという間に1週間が過ぎ、今日帰京します。

いつもは寒さに対してかなりの覚悟をしてこちらに来るのですが、関西も信じられない暖かさでした。こちらに向かう日も東京は暖かくて、汗をかきかきダウンコートを手に持ち、大量の荷物をごろんごろんさせながら機上の人となりましたが、関西も暖かいではないですか。例年熊取はストーブをつけないと室内が一桁台の寒さなのですが、なんと15度、外に至っては生暖かい風が吹いています。という訳で雪も寒さも無縁の不思議なクリスマスとなりました。

昨日はみるみる温度が下がり、冷え込む夜となりましたが、凍てつくような例年の寒さにはまだ程遠い・・・。

今回の滞在、いろいろとする事も多かったので、熊取(連弾)合宿としては全然捗っていないのですが、やはりここに来ると生き返ります。1週間過ごすうちにすっかり忘れていましたが、お初の曲が今回山積みで譜読みに追われ、大学の年度末の事務的な用事が溜まりつつあり、胃が痛むような日々でした。ここでは自然が豊かで、静かに過ごせるし、よく眠れます。テレビもないので(ワンセグの電波さえ切れ切れ)外界と距離をおけて、おまけに食べ物が美味しい。楽しみと言えば、駅前に小麦の香り豊かなバゲットやちょっと手の込んだ美味しいパンを扱っているパン屋さんがあり、駅前通りにフランスの味と香りを再現して下さる美味しいビストロがあること。もちろんすぐにお邪魔してきました。そして農産物直売所でも地元でとれた質の良いお野菜や果物、花がお安く、冬場はそのお野菜で毎日鍋をつつくのが恒例となっています。

この2か月の間にもいろいろあったのですが、大阪に来る直前の室内楽の試験期間が最も大変だったかも。こんな年は最初で最後かと思いますが、全て編成の違うグループ7つ、受け持たせて頂いていました。9カ月の間、各グループが3曲4曲次々と持って来るのですが、どの編成にもピアノが入っているとはいえ、いくら何でも全部弾いた事がある訳ではないので、こちらも弾いてみたり聴いてみたり・・・。半端でない勉強量で正直いっぱいいっぱいでしたが、聴いたこともない曲に一歩ずつ近づいていく過程というものは、興味深く楽しいものです(心と時間に余裕さえあれば)。お陰様で世界がまた広がりました。

それよりも3月のデュオのリサイタルのお知らせを。今回は3月10日金曜夜と11日土曜の午後、いつも通りの三軒茶屋のサロン・テッセラさんです。今月中頃、チラシを作らなければならないので慌てて曲決めをしたところ。モーツァルトのKv.521のハ長調ソナタ、牧神の午後への前奏曲(10日)、ラヴェルのスペイン狂詩曲(11日)、平吉毅州先生のカーニバルがやってきた、フォーレのレクイエム、スメタナのモルダウというプログラム。

何年か越しでプログラム最後にぜひと思い続けていたモルダウ、やっと今回おきかせできそうです。フォーレのレクイエムは昨年金土両日とも演奏してはいますが、やはり今回も3月11日が入っているので、気持ちを込めて再度演奏させて頂きたいと思いました。平吉毅州先生と言えば、皆さんがご存知のところでは「気球に乗ってどこまでも」。あの元気でリズミカルな伴奏パート、子供たちがピアノを奪い合うようにして弾いていた光景が思い出されますが、あのイメージ同様生き生きとしていてユーモアに満ちた楽しい曲集です。毎年1曲は金曜と土曜で異なる曲を演奏していますが、前回に続き2年目となる牧神の午後への前奏曲の差し替え曲に選んだのは、同じくフランスもののラヴェルのスペイン狂詩曲。連弾で弾けるのかいな?と思う位音符で満載の楽譜ですが、それをどう表現していくか怖いもの見たさに近い気分になっています。モーツァルトの連弾作品は数曲弾かせて頂き、あとは傑作と呼ばれる大きなソナタしか残っていない状況でしたが、ついにそこに足を踏み入れる決心がつきました。果たしてどうなることやら・・・?という、今回も盛りだくさんのプログラムです。

詳細は後日、コンサートのページに載せますのでもう少しお待ち下さい。

今年は全くと言ってよい程更新もできないままで、何度もいらして下さった方々には本当に申し訳ないと、それでも忘れずにいて下さる事をありがたく思っております。いろいろ生活の状況も変わってきていますし、自分自身無理をおして睡眠を削ってまでやり通すより、まずは寝ようという方向になってきており、優先順位からするとホームページの管理がこぼれ落ちてしまうのですが、どうかお許し下さい。細々とにはなるかと思いますが、何とか少しずつでも更新できればと考えております。今年1年も本当にありがとうございました。

皆様におかれましてはこの1年はいかがでしたか。来年も幸せな1年となりますように、心よりお祈り申し上げます。

さて、あと数時間しか残されていないので、これからモルダウの分析と指使い決めに取り掛かろうかと思います。あ、その前にお昼を作ろう。腹が減っては練習もできぬ・・・。



2016年10月31日(月)               「CDリリース」

いつの間にか半年ほどご無沙汰してしまいました。本当にごめんなさい。

6月のソロのリサイタルが終わるまでは、自分の練習の時間を確保することに必死になっていましたが、いざ終わって我に返ればさらに毎日があわただしく、あっという間に時間が進んでいました。夜になったら疲れていつの間にか寝てしまっているせいでしょうか。暗くなったら寝て明るくなったら起きる、ってよく考えたら当たり前の事なのですが・・・。寝ている分、1日が短く感じます。

結局この間ホームページにはまったく手をつけられず、正直どうやっていたっけ?と手探りで思い出しています。メンテナンスとか他のページの更新とか、しなくてはならないことを全部やっていたら来年まで更新できなさそうなので、順次できるところから復帰していくつもり・・・です。

しかし文章がまともに書けなくなっている事にはびっくり。夏休みに曲目解説を書いていた時、なかなか文章が頭に浮かんでこなくて・・・。熊取滞在中、結局いつも頭の中でどう書こう?とぐるぐるしていたのですが、少しずつ少しずつ文章の書き方考え方を思い出してきた感じでした。書く事は考える事。ひとりごとを書くことが実は自分の為にも少しは役に立っていたのかと、改めて気付かされています。

さて、最近の大きな出来事といえばデュオのCDのリリース。昨年のお盆真只中に録音していたあれです。あちらこちらで「まだ?」と言われ続け、忘れられそうになった9月25日にやっと日の目をみることができました。1年前の事なのでだいぶ遠い昔になっているのですが、昨年8月のひとりごとに録音時の事がいろいろ書いてありますので、よろしかったらご覧になって下さい。

2日間かかった録音ももちろんの事、そこに至るまでの合わせも大変ですが、もっと大変なのがその後の作業。編集テイクを聞き直すとか、曲目解説書くとか、ブックレットの校正をするとか・・・2人で落ち着いて時間が取れる夏休みまで持ち越してしまったのでした。締切に追われて地方のホテルや熊取にはパソコンと資料を持参しましたが、心がわさわさしている時には結構聴き落とし見落としがあるもので、ヒヤッとしたことも度々。それでも必死に頑張った甲斐があり、スタッフの皆様のご協力もあって、やっとここまでこぎつけられた事を嬉しく思います。1年がかりの(?)力作、ぜひ聴いて下さい。

今週4日はカワイ表参道でジョイント・コンサートがあります。大学の大先輩で洗足でもお世話になった古曽志先生の作品がメインで、我々デュオはCD収録曲でもある古曽志先生の「こねこのポール」とシャブリエの「エスパーニャ(狂詩曲スペイン)」を演奏致します。先生の作品、物語や情景描写に満ちています。生き生きとしているところあればホッとするところあり、楽しいところあればしみじみするところあり・・・そんなところに先生でしか書き得ない音楽があると思っています。日が迫っていますが、ご都合つきましたらぜひ古曽志ワールドに浸りにいらして下さい。

今月も何回か夏日があったのでなかなか秋気分に切り替わりませんが、さすがに日が落ちるのは早く、また空も高くなりました。今日はハロウィン。ハロウィンの事を初めて知ったのは、子供の時に読んだアメリカ生活でのエッセイ。あの数十年後に日本でハロウィンが定着し、街中に仮装している人が溢れるなんて想像もできませんでした。

だいぶ頑張って書いてみました。やはり作文リハビリが必要なようです・・・。



2016年5月15日(日)                「音楽の聖地ライプツィヒをめぐって」


大変ご無沙汰しております。何度も何度もいらしてはまだか・・・と思われた方には本当にごめんなさい。お元気でいらっしゃいますか。

あっという間に季節はまるで初夏、ですね。あまりにも月日が経つのが早すぎて、訳が分かりません・・・。例年上半期は異様な速さで過ぎるのですが、今年は特に速い。これは必死さがなせる業だと思っています。

更新するにもひとりごと以外のページが・・・と思っていましたら、途中までやってありました。3月末の日付なので、例年の弦の講習会に突入する直前までやっていて、講習会終わった時にはすっかり忘れていたようです。その時期、何か大変な事が降ってきていたような気もしますが・・・。ともかく、その途中まで手を入れてあったページもろとも、忘れない内にひとりごとも簡単に更新してしまいます。

3月デュオについても全然書けなかったのですが、ソロのリサイタルまであと20日となりましたので、まずそのことを。

今回のリサイタルは初めてサブタイトルをつけてみました。「音楽の聖地 ライプツィヒをめぐって」。一番大好きな作曲家はJ.S.バッハだと事あるごとに言っているのですが、なんと実は今までバッハゆかりの地に行ったことが一度もなかったのです。正直ずっと気にはなっていました。そして生前大変お世話になりました指揮者・ヴァイオリニストのゲルハルト・ボッセ先生も、来日されるまでご活躍されていらした街で、当時のお話を伺ったことがあります。何とかして行きたい行きたいとずっと思っていましたら、昨年ついに念願かなったのです。連休を利用したのですが、やはり学校は休めないので超特急のスケジュール、ライプツィヒはベルリンから日帰り。今となってはせめてもう1日あったら・・・と思うのですが、それはまたいつかの楽しみにとっておきたいと思います。

バッハがカントルをつとめていたトーマス教会。教会の中にバッハのお墓もあり、中に入った時は厳かな気持ちと感激が入り混じったなんとも不思議な気分でした。リュックを背負って街を歩きましたが、時代が異なるとはいえ、徒歩圏にあんなにたくさん偉大な作曲家たちが住んでいらしたとは・・・。彼らの住まいにお邪魔し、時にはピアノも弾かせて下さり・・・人々が我が街を愛し、誇りをもっていらっしゃり、旅行者に大変親切にして下さいました。現在まで脈々と引き継がれている伝統ってこういうことなのかと感じましたし、かの地に立っていることに深い感慨を覚えました。

歩きながら漠然と、「今度のリサイタルのプログラム、ライプツィヒがテーマとか、できるかな?」と考えておりました。この選曲にするまで紆余曲折がありましたが、今やっとこの選曲でよかったと思えています。

今回初めて銀座の王子ホールで弾かせて頂きます。伴奏では何度も弾かせて頂いていますし、聴きにきてもいい響きだと感じておりましたが、ソロは全く初めてです。ドイツ物、どんな風に響くのでしょうか。

6月4日土曜日、15時というちょうどいい(?)時間です。銀座ど真ん中までお散歩がてらいらして下さい。よろしくお願い致します。

次、できることならリサイタル終わるまでに書きたいと思っています・・・。



2016年2月24日(水)             「遅くなりまして・・・」

新年のご挨拶もできないまま、2か月弱経ちました。今更ですが・・・今年もよろしくお願い致します。

新年3が日はさすがにお休みでしたが、実際はひたすら年賀状を書いて終わり、翌4日からはほぼ毎日、朝から晩まで学校に入り浸っているような生活でした。あまりに必死でよく覚えていないのですが、まずはレッスンと授業の最終週、それ以外に伴奏合わせやレッスンについていくこと、おさらい会等本番が次々入り、一体いつさらうんだか・・・という毎日を過ごしている内に2月に入り、試験が一つずつ済んで行き、試験期間翌日には秋田に居りました。

秋田は日本三大盆踊りの西馬音内盆踊りで有名な羽後町、今年も呼んで頂きました。今年の目玉はオペラ椿姫の極縮小版。ソプラノ江口順子さんとテノール竹内俊介くん、そこにスコアから起こした伴奏を連弾で弾き、解説や演技なども工夫を重ねて、限られた条件の中で最大の効果を!みたいな、楽しいものに仕上げられたかと思います。今年は雪がいつもよりめちゃめちゃ少なく、滞在中降らないどころか大雨には降られ、秋田の冬とは思えない不思議な気候でした。しかしいつ来ても羽後町の皆様がとてもあたたかく、心からのおもてなしをして下さり、試験期間の疲れもすっかり癒されて帰ってきました。

それから数日後に関西に飛び、今は南大阪の熊取にて合宿中です。もちろん3月のピアノデュオに備えての合宿なのですが、6月の私のソロリサイタルの事も曲決めに右往左往した為に事務的な事に追われており(今チラシのデザインが届きました!)、頭の中がごちゃごちゃしております。3月ピアノデュオの方も試験期間は二人して全く何もできなかったので、この数日であわただしくご案内を送り、チケット発送もし、フォーレに至ってはいろいろ考えながら弾いてみて、原田が編曲しつつ楽譜に起こし、これからは曲目解説も書かねば・・・という段階です。と言えども練習も全然間に合っていないので本当に必死のぱっちなのですが、焦っていると口で言いながら顔が焦って見えない原田と、焦っていると心で思いながらも行動がついてゆかなくなっている私とで、二人三脚でどうにかあと半月・・・と思いながら過ごしています。

あまり面白いように書けないなぁと、そして、もっと書きたいこともあるのにと思いながら、これしか書けなくてごめんなさい。カーソルが勝手にあっちこっちに飛ぶ現象がひどくて、何回書き直せば済むのか・・・。静電気によるものらしいとも聞いたのですが、何かいい方法をご存知の方教えて下さいっ。

熊取もいつもよりだいぶ暖かく過ごしやすいですが、花粉もひどくてマスクが手放せません。自然が豊かで食べ物もおいしく、産直農産物販売所で新鮮なお野菜を買って自炊しています(極力時間をとられない鍋が多い)。和歌山が近いので柑橘類は今が盛り、種類も豊富です。産直販売所で数えてみたらなんと16種類も並んでいました!さて、ポストの集配が1日1回なのですが、そろそろその時間なので、散歩がてら夕日を見ながら行ってこようと思います。

チケット情報は随時更新します。デュオの詳しい事など書けたらいいなと思っていますが・・・。チケット残りもだいぶ少なくなりました。いらして頂ける方、お早目のご連絡をお待ちしております。

インフルエンザにはお気をつけて・・・。


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