ひとりごと(2015年7月分) |
2015年7月31日(金) 「夏休み」 掛川から帰ってきたばかりですが、また明日から出掛けます。今度は子供さん達のための夏休みコンサート。 それにしてもとにかく毎日暑い。どんなに暑くても夏大好きだったはずなのに、昨年あたりからきつくなってきました。夏が以前にもまして暑くなったのか、それとも自分の体が以前にもまして弱くなったのか?今月半ばから早々と夏バテしていたので、混雑電車から早く逃れたくてお休みが待ち遠しかったのですが、それにしてもやっぱり暑いです・・・。 子供の頃の夏の思い出と言えば、山や高原で過ごした事。小学校高学年以降は、コンクールなど何か目標に向かって頑張る期間。計画的に物事を進められる性格ではないのですが、貴重な期間として1日1日が大切だったような気がします。ゆっくり考えたり、ゆっくり休んだり、ゆっくり日頃出来ない事をしたり・・・今もそう過ごしたいなと思いつつ、なかなかできなくなってきています。今の自分に必要なのは瞬時に考えて判断を下すことであったり、効率よく物事をてきぱきと進めることであったり・・・でもそんな状況では自分の目指している音楽はできない。皆平等に1日24時間しかないのなら、何かを削るしかないのですが。 唯一、寝る時間は倍増。無理を押して起きている事ができなくなり、生活がほぼ朝型となりました。日に焼けたくないので、朝まだ早い時間から花達に水まきするのですが、なんと!朝が涼しくないのです。「涼しい朝の内に」はもう死語なのでしょうか。 今一番したい事は読書、そして手紙を書く事、かな。子供時代学生時代、存分にできていた事でした。 夏休みはピアノ・デュオの録音やいつもの熊取合宿などもあり、今後も盛りだくさんの予定です。9月には伊賀さん青木くんとの室内楽も控え、譜読みを早く~と気が急くばかり。もっと前から手をつけたかったのにできないままの事も多く、もしかしたらご心配をおかけしているかなとも思いますが、寝る時間が増えただけで夏バテしつつも元気にやっています。 もう8月となりますが、皆様もどうぞ熱中症にお気をつけて・・・。 2015年7月30日(木) 「信頼」 またもや1ヶ月が経ってしまいました。13日、途中まで書いたのですが、やはり最後までまとめ切れなかった・・・。 大学での前期のお仕事がやっと終わりました!夏休み前に15回のレッスンなので本当にキチキチいっぱい。レッスンが終わったのは一昨日で、思わず「終わった~」というセリフが口をついて出てきたほど。昨日は声楽科の学生さんのドイツ歌曲の授業で前期の試験、皆緊張した面持ちで各自選んだ1曲を歌い、その伴奏をしておりました。そしてその足で、子供さん達の合宿に中途参加のため掛川に向かい、あれよあれよという内に今朝は最後の締めのコンサート。その後はのんびりと帰ってきました。 毎年この合宿でお会いする子供さん達がどんどん大きくなり、たくましくなり、そして上達しているのを間近で感じられるのは嬉しいこと。そして矛盾するようですが、子供らしさとしっかりしたところ、皆両方持ち合わせています。年下の小さな子を年上の子がちゃんと面倒をみるし、お母様方も自分の子供であってもなくても同じように気を配っておられます。まるで大きな家族のようで、そんな風にできるのは本当にすごい事だなと思うのです。 さて、大学では学期末とあって伴奏の本番もいろいろあったのですが、「初めまして」の新入生が数名。初回の合わせは学生さんも緊張しているようですが、こちらももちろん緊張するのです。どんな性格?何を考えていて、どんな演奏をするのだろう?話し方、何気ないしぐさ、演奏、などなど全てに神経を廻らせ、本番に備えます。本番を一緒に踏んでいないがゆえにどうなるかわからず、予測をたてて臨むのですが、とにかく1回目が終わるまではドキドキ。仮に練習時と違う何かが起こっても、その中で出来る限りのいい演奏にしたいのです。まぁ何かが起きたとしても、第1回目の本番が終わってやっとその人との距離が縮まったような気がするもので、別の言い方をすれば「信頼が生まれる」という事でしょうか。 ピアノは、ひとりで好きな時に好きなように弾ける。でもこれは音楽する事に於いては特別な事。音楽は普通誰かと一緒に演奏するもので、そして想いも共有するのです。だから相手と信頼を築き上げるのが私にとっては一番大切。 演奏には呼吸も大切、とよく言われますが・・・合わせものなら、息をするのは相手と同じタイミングに音を出す為の合図。しかしピアノ人には息をしないで弾いている人が意外に多いのです。あ、もちろん生物として呼吸はしていますが、音楽が自然に流れるような呼吸ではない、という意味。ピアノ・ソロであっても、呼吸は自分のためだけではなく、聴いて下さる人とも一緒にするつもりで。聴き手が息を止めて体を微動だにせず聴いているのと、リラックスして音楽の流れに沿って体が何となく動いてしまうのと、どちらがよいでしょう? 何のために音楽をしているのか、何故音楽が必要なのか、そんな事を考えるとおのずと答えは生まれてくる、と。 冒頭の話に戻しますが、大きな家族のようになってしまえるのは、きっと先生がそれを大事にしていらっしゃるから。それにはまだまだ自分は修業が足りないし、まだまだ器が小さい・・・。 |
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