ひとりごと(2013年8月分) |
2013年8月31日(土) 「電子機器」 来週からいよいよ新学期。しかしちょいと気重・・・。 猛暑ですっかり忘れてしまった学校モードに切り替えるのが大変、という訳ではないのです。新校舎が出来た事により、この新学期より各部署があちこちにお引っ越し。何か思い立った時にどこに電話すればよいか、どこに行けばよいか、大体どこに何が引っ越したかも分かっていません。とりあえず初日、出校したらどこへ行ったらいいのか。学校は今月初めの夏季講習会以来で、内部がどんな風に変わったのか想像もつきません。 それよりも何よりも、今まで事務の方々がやって下さっていた出欠管理、レッスンに関しては全て自分で入力する事になったらしい。そして休講補講のお知らせや教室の申し込みも、自分でするとかしないとか?説明会があってもちろん聞きましたし、それに関するマニュアルもあるのですが、いざやってみないと分からないし覚えないでしょう。自分のパソコンは使えても学内のパソコンが使えるかどうか(?)、スマホでどこまでできるのか(パソコンサイトは最近よく固まるし)、家でやるつもりがうっかり忘れて期限に間に合わないとか、もう心配の種が山積み。重い腰を上げてパソコンを使い始めてかれこれ12年ほど、スマホも丸2年を超えましたが、正直なところ電子機器は苦手。いったんやってみて「なぁんだ」と思えればいいのですが、そこに至るまでが長いのです。 電子機器で思い出しましたが、録音機とかデジタルカメラとか、これも録りっぱなし撮りっぱなしのデータをどうするか。腰をすえて一気にやってしまえれば何とかなると思いたいのですが、でも編集作業は面倒で、昔に比べたら便利になったようで実は不便なのかと。 明日で関東大震災から90年。亡くなった祖母があの揺れを経験していたそうです。現在は研究も進んでいろいろな事が分かって来ているそうですが、大地震が起こるとしたらどんな被害が起こりうるのか、考えても考えても今まで予想だにしなかった事が起こりうる可能性がある、と思って備えをしなければいけない。そんな事を考える防災の日となりそうです・・・。 2013年8月29日(木) 「自炊生活」 またしばらく更新が途絶えてお待たせしました。先週は講習会の伴奏で高山に、その後3日家に居て、すぐ大阪に来ました。現在、連弾合宿中。 どこに行くにしても現地の天気予報を調べて行くのが常。調べた当初は高山も連日33度と出ていたので、暑い時用の服ばかり持って行ったのですが、予報に反して少し気温が下がったのもあり、また湿気もなく夜も涼しかったのでかなり楽でした。そして17日連続猛暑日という驚きの記録を作った大阪ですが、こちらに着いたのはその記録が途絶えた日。和歌山にほど近いここは瀬戸内気候であまり雨も降らないのですが、それでもかなり雨が降りました。関空から大阪入りしたので全く知らなかったのですが、梅田が水没したと後からききました。今月頭には、新しくなった梅田を歩いていたので、尚更驚いたという・・・。 ま、それはともかく。7月頭に早々と梅雨が明けた時、今年の夏は長いぞぉと覚悟を決めましたが、いざ過ぎてみるとあっという間のひと夏でした。気が張っていたからなのか、毎日必ず取るようにしていた自然塩とフルーツ酢のお陰なのか、だるくて動けないという夏バテにはほぼ無縁。我ながら元気だなと思っていましたが、それでも何となく疲れたと思い始めています。じわじわと夏の疲れが忍び寄っているのは自覚していますが、精神的にいっぱいいっぱいなのを自分で封じ込めていたのかもしれません。自分にとっての「宿題」も少しずつ積み重なり、また先の事をいろいろ考え過ぎて取り越し苦労をし・・・それより行動を起こす方が先ですが。 半月ぶりの熊取。この前はクマゼミがジャンジャンジャンジャンと朝っぱらからうるさかったのですが、今はツクツクボウシがもぅいいよもぅいいよもぅいいよじぃぃぃぃ〜とのどかに鳴き、あちこちの田んぼでは早々と稲穂が頭を垂れています。例年のこの時期はそれでも汗だらだらの暑さですが、今年は猛暑日が続いていたせいか、もうクーラーを使わずに窓を開け放せば済む位になり、秋が確実に忍び寄ってきているのを感じさせます。 この連弾合宿、基本的には自炊です。出来る事ならご飯つくるのにあまり時間は取りたくないという事で、冬なら徹底的に鍋。スープの味は日々変えつつ、お野菜たくさん食べています。夏は鍋ではさすがに暑いのでどうするか。パスタをつくる事もありますが、極力素材の味をそのままというシンプル料理(またの名を手抜き?)。地元の野菜を農産物直売所で仕入れ、ざっと炒めるとか茹でるとか生とか・・・。それだけでもすごく美味しい。凝り始めたらいくらでも凝ったものもつくりそうですが、時間は必要なところで優先的に。目の前の棚田のあぜ道をお散歩するとか、夕日を眺めるとか、しっかり寝るとか、そういうところに時間をしっかりかけられる事は幸せな事です。 という合宿ももうすぐ終わり。戻ったらすぐ新学期が始まります・・・。 2013年8月14日(水) 「シルバーマウンテン」 先々週の静岡に引き続き、先週は暑い暑い関西へお仕事で行ってきました。新大阪で降り立った時には「さすが大阪、この暑さ」と思いましたが、帰京したら更に東京は暑かった・・・。 ご縁あって、今回初めてのヴァイオリニストの方とソナタを演奏させて頂いてきました。離れて住んでいるがゆえ、合わせは集中的に一気に。室内楽として一緒に音楽を創って下さる方だったので、言葉にして説明する事はあまりなく、初めてご一緒させて頂いたという感じがしなかったのが不思議です。そのようなお方だったのでお心遣いが非常に細やか、そしてその方とのご縁を作って下さった方もまたお心遣いが非常に細やか、正に私が助けて頂いて演奏していたようなもので、それには心より感謝しています。そして演奏面だけでなく、指導されるお立場としても見習わせて頂きたい事が多々あり、いい勉強をさせて頂いたよい経験となりました。本当にありがとうございました。 さて、久しぶりの大阪駅。以前来た時は工事中でしたが、新駅舎を見たのは初めて(ちなみに大阪と言えばいつもは関西空港より)。京都駅と何だか似ているなというのが第一印象でした。そして関西でもパスモが使えるようになりました。前回大阪に来た時はあと数日で解禁という時だったのですが、とにかく便利になったのは嬉しい限り。 そしてあの緊急地震警報。あの嫌な音を久々に聞いたのは大阪の地下鉄の中でした。鳴った瞬間、土地勘のない大阪、おまけに地下鉄、まずは連絡・・・と思ったら東京と違って電波がない。地上に出るのが先か、出たら・・・うぅぅ・・・しかし揺れないな、奈良の辺りで限定的に揺れているのか?と考えていたら、車内放送。「えぇ、今の緊急地震速報は誤報でして・・・」。お陰でパニックにならず車内は至って平静でした。JRにその後乗り換えたら「地震発生の関係で遅れております・・・」。全く揺れたんだか揺れないんだか。ワンセグでニュースを見ようにもつながらない、メールも電話もつながらない、ただ被害は何も起きていないようだと落ち着いて待ちました。電車はしばらく止まっていましたが、20分弱(記憶に間違いがなければ)遅れてその後動き出しました。 東日本大震災の日、よりによって今からコンサート本番という時に地震にあった経験から、何かが起きた時に備えて荷物はだんだん重くなっています。その考えに間違いはなかったと思えるけれど、でも荷物がこれ以上重くなるのは勘弁・・・。どちらにしろ、旅先でももしも地震が起きたら?と考えておくのは大事な事だと考えさせられた出来事でした。 さてさて、前からちまちまと予告していましたが、秋のコンサートの予定を一気に7件アップしました。まだ完全に全ての情報がそろっていないものもあるのですが、自分にちゃんと計画立てて練習せよと戒める意味もあったりして。 勤め先の洗足学園では新校舎が2つ完成したところ。正門前まで来るまでもなく、学園に向かって歩いていると、真っ赤な四角い校舎と銀色に輝く宇宙船みたいな校舎がどどんとそびえ立っているのが見えてきます。その宇宙船みたいな建物は「シルバーマウンテン」というのですが、大きなリハーサル室を3つ備えています。その3か所で同時公演、10〜12月に毎日、つまり全公演で300程というすごい企画のコンサートシリーズが始まります。最初聞いた時は途轍もない何という企画!?とびっくりしましたが、それが現実になってきている事にただただ驚くばかり。コンサート一覧を見てもそうそうたる方々のお名前が並び、またお宝もののような顔ぶれの室内楽もあり、こういう事でもなければできないような珍しい企画もあり・・・時間があれば毎日聴く方ではしごしたい位です。 という訳で、私は自分自身のソロ、原田さんとのデュオ、作曲家古曽志先生の一夜、教授陣の方々の木管五重奏との共演、そして荒牧小百合さんのソプラノ・リサイタル、と計5公演に出演させて頂きます。普通に授業もレッスンもあるのに一体いつ練習して合わせをするんだろ?という感じですが、こんなすごい企画自体もうないはずと思っているので、スケジュール管理と体調管理をしっかりして、思い切り楽しめたらいいなと思っています。 原田さんとのデュオですが、いつもは富山や長野限定だったフォルテピアノとモダンピアノの聴き比べコンサート、ついに関東上陸します!竹田楽器さんと学園のご協力あってやっと関東でも実現するのが本当に嬉しいし、楽しみ。休憩時には楽器解説(解体ショー?)もありますし、フォルテピアノの優しいぬくもりのある響きを聴きに、ぜひいらして頂きたいと思っています。そして私のソロ・リサイタルですが、今年6月のプログラムの再演をします。終演時間の制限があって1曲省かざるを得なかったのですが、バッハのパルティータ1、ドビュッシーの映像1集、そして展覧会の絵というプログラム。こちらも名曲揃いですのでぜひいらして下さい。 古曽志先生の演奏会は、古曽志先生作品とネコに関連する曲でプログラムを組まれるようです。これには原田さんとのデュオで、古曽志先生の組曲「こねこのポール」全曲と、もしかしたらプラスアルファで出演予定。木管五重奏の日では、大学生の時以来のモーツァルトの管楽五重奏曲、そして木管五重奏プラスピアノでの「展覧会の絵」です。まだ楽譜頂いていないのでどんな感じやら?しかしピアノソロでこれを弾いた後に室内楽アレンジでも演奏出来るとは、興味深い経験となりそう。荒牧さんのソプラノ・リサイタルは日本歌曲とシューベルトの予定ですが、目玉はシューベルトの「岩の上の羊飼い」。これはソプラノとクラリネットとピアノという室内楽で、いつかご縁があれば演奏してみたいと思っていた憧れの曲です。こういう企画でもない限り、なかなか演奏できないと思うので、これもとても楽しみです。 そしてこのシリーズ以外では、毎年恒例伊賀さん青木くんとの室内楽。最近は珍しい作曲家の作品が多かったのですが、再び時代を遡り、今年はモーツァルトがテーマのようです。モーツァルトは最近弾きたくてうずうずしているので、モーツァルト尽くしの一夜もまた楽しみです。 以上詳細はコンサート情報のページへどうぞ。まだ決まっていない情報も多くありますが、決まり次第随時アップしていきますので、よろしくお願い致します。 現在束の間の夏休み。相変わらず暑いですが、家にいなければできない事にひたすら追われています。こういう事を始めてしまうと1日はあっという間。ぼぉっとして読書なんて夏休みは一体どこへやら・・・。 2013年8月5日(月) 「アインガング」 8月に入りました。長い長い夏がこれから続くのかと思ってから約1ヶ月、それにしては最近、カラッと晴れた青空を見た事がない・・・? 子供たちの合宿より戻ってきました。わずかな期間にフルコースばりのメニューだったのでさすがに疲れ、帰って来てからくったりしていました。それでも子供たちはいたって元気で、朝から晩まで音楽漬けなのに集中力を切らす訳でもなく、朝早く起きて自主練習までこなしている・・・。これも音楽が好きだからこそ。例年の事なのでもう慣れましたが、初年度は本当に驚いたものです。 驚くと言えば、皆がピアノ、エレクトーン、即興、合唱、ボディパーカッション、弦楽器、といくつもの事を当たり前にこなす事。これも当初はムチャクチャ驚きましたが、よくよく考えてみれば音楽という事では根っこは一つ、表現方法が違うだけで、そう言われてみればそうかと妙に納得する自分がいます。順応力が高い内に取り組んでいるので、別にどうという事もなく出来るようになってしまうのかと。お互いの音を聴き、合わせる事にたけているのも特長です。音楽は皆でやるのが当たり前で、皆でやるから楽しい。それを幼い内から実感できる音楽生活も素敵なものだと思いました。 いざ音楽を離れると皆年令相応によくはしゃぎ、遊ぶのです。そして皆が兄弟みたいに仲が良く、小さい子たちを年上の子が面倒を見ています。お母様方もまた然り、どのお母様と子供さんが親子なのか、よくみていないと間違えたりします。こんな風になれるのはなぜなのか・・・。 今年は子供たちのエレクトーン伴奏でモーツァルトのコンチェルトを弾かせて頂いたので、私もあちらでは毎日早起きして朝練していました。作曲者自作のカデンツァもなく、またアインガング(半終止の後に入れる即興的なパッセージ)も数か所あり、おまけにモーツァルト自身がソロの部分にメモしか残していないところもあり・・・昔だったら戸惑ってそれだけで弾けなかったかもしれませんが、今回初めて全て自分で考えました。「モーツァルトはピアノコンチェルトのソロパート全てを楽譜に書き残せず、メモ書き程度で演奏に臨んだ」というような事を、遠い昔何かで読んだことがありました。それがこの事かとわかったのは大きな発見です。使用楽譜には例えばどう弾くかのアイデアが記されていたのですが、でも何か違う感じ・・・。思いきってゼロから自分で考える事にしましたが、ただの16分音符パッセージでもモーツァルトの書く物はとても芸術的、それにつなげてもおかしくない物を考えるのはやはり大変。それに、スケールでもアルペジオでも順番に音を追っていくと、必要な小節数にはまらなかったり音域が合わなかったりするので、こればかりはその時々の即興ではなく、ちゃんとはまるような音並びや指使いを考えました。 アインガングの方はむしろ何も考えず、その都度ひらめくのに任せて弾いていました。本番が近付くにつれて緊張したんだかひらめかなくなりましたが、自分を信じて「ひらめけひらめけ〜っ」て思う事が大切なのかもしれません。決して満足する出来ではないのですが(モーツァルトに匹敵するほどに書けるはずがないっ)、本番では何とか穴を開けず、でも今まで弾いていない新しいパターンで弾けたと思います。これも最近連弾でカデンツァが出てくる曲が多く、即興的にあれこれやる事に慣れてきたせいかもしれません。 演奏時間の都合上カデンツァは、如何に短くするかが至上命令でしたが(長かったらきっと書けなかったはず)、どんなハーモニー進行にするかがまず浮かび、あとどのテーマやモチーフを使うか考え、そしたらモーツァルトがいろいろな曲で使うパッセージがふと浮かんできたりして、どうにかこうにか形にできました。しかし無難過ぎる・・・まだまだです。モーツァルトがどう書くのか知りたい気がしましたが、逆に言えば当時の奏者はこれ位当たり前に作曲(か即興)ができるのが当然だったのでしょうね。 ま、それはともかくと・・・。最後のコンサート、いろいろお手伝いしながら演奏にも回りましたが、子供たち、そして大学生や先生方の演奏、どれも楽しめました。まさに音楽する喜びに溢れた演奏。音楽のある幸せをかみしめられる演奏。あぁ音楽っていいものだなと思えましたし、皆これから先どんな道を選んだとしても、音楽を心の友として生きて行ってくれるでしょう。 改めて音楽の力、音楽する原点について考えられた貴重な時間でした。先生方、支えて下さったスタッフの皆様、合宿参加の皆様、本当にありがとうございました。次の合宿が楽しみです。 という合宿が終わったのも束の間、今週は大学の夏期講習会があり、別の本番もあり、秋のコンサートに備えて準備もしています。秋の第一弾コンサート情報をアップする事さえ忘れていましたが、来月富山でフォルテピアノとピアノの聴き比べコンサートを行います。富山のお近くの方、優しげなフォルテピアノの響きを聴きに(もちろん現代ピアノの方も)、ぜひいらして下さい。詳細はコンサート情報のページへどうぞ。 家で植えた朝顔、大きいのが咲きました。カラス?に種を食べ尽くされて今年は各鉢に3株程度、かなりゆとりを持って植えました。それが功を奏したのか、土にこだわったせいか、話しかけて育てたのがよかったのか・・・。 |
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