ひとりごと(2013年1月分) |
2013年1月31日(木) 「名残り」 あっという間に1月も終わり。 毎年の事ながら1月の記憶があまりありません。電車の中吊り広告で「今、世の中ではバーゲンか・・・」とか思いつつ、全く縁がない日々。車内では絶対にマスクを外さず、ノロウィルスもインフルエンザウィルスも受け付けないぞっという気迫で、生きています。時間と戦っている感覚。時間に追われている、という受動的な感覚ではなく、時間と戦っている、という能動的な感覚です。逃げようにも逃げられない状態に追い詰められている、というより自分でそうしてしまっているのでは?と指摘されたら何も言えないのですが。 今日は年始以来のオフ。実技試験も毎日少しずつつつがなく進み、その分少し余裕ができたのです。今日は体のメンテナンスとさまざまな雑用を次々てきぱき片付けました。 マッサージなんて何カ月ぶりだか。とにかく楽譜が毎日重くて体の限界まで来ていましたが、ぎりぎりのところで息を吹き返しました。髪はもう半年以上切っていない。撮影の時に「近い内に切りにきます」と伝えてから早2か月・・・いやぁここまで長いと結構邪魔だと気付かされています。花を見まわっていたらバラの剪定時期だと思い出し、今日は暖かかったので一気に切り戻しました。新聞も最近は1週2週とまとめ読みなのですが、ニュースを見ていたらあまりにも最近の事に疎くて、世の中の速さにびっくり。夕暮れ時に用事で外に出たら、日が長くなっている事に気付きました。夜明けが日々遅くなり、起きる時は真っ暗な事に気分が沈むのですが、いつの間にか日暮れは遅くなっていたのですね。どこかのお宅のお庭に、ネコヤナギのふわふわのつぼみがついているのを見つけました。日射しも暖か。春はそこまで来ています。 4年生をまた見送る(追い出す?)季節となりました。普段レッスンでも合わせでも自発的に何かを考え、発してくれるのを待っているので、こちらから「こうしてほしい」という事は極力言わないようにしています。という訳で自分の事はあまり言わないようにしているつもりなのですが、やはりおのずと見えてしまうものでしょうか。例年、巣立ってゆく4年生が言ってくれる事はなぜか同じなので・・・(何を言われているかはご想像にお任せします)。年間30回のレッスン×4年間=120回!?レッスンだけにとどまらず伴奏のお手伝いもしている学生さんなら、4年で200回とか?それだけの時間を共有する事自体、学生生活でしか得られない大切なものなんだなぁと思わされました。 今回、いろいろな先生のレッスンについて行き、久しぶりにあ〜楽しいと思えました。レッスンからその先生のキャラクター、音楽観、はてはその学生さんとの距離感というか関係みたいなものも見えてくるもの。ピアノを弾く身として、得難いヒントもたくさん頂いてしまいました。 そしてそれと別に、その学生さんの根っこの部分も良く見えた気がします。やはり最後の卒業試験は学生生活の集大成。皆の気合の入り方がもう違い、またその試験に向けての上昇気流のカーブもすごい。メキメキとうまくなっていきます。本番がそれまでの合わせよりも一番いい演奏になったという学生さんも多く(私の主観ですが)、演奏はただ技術だけで終わるものではなく、心持ちや人間性までも含めてのもの、という事を改めて感じさせられました。 最後のレッスン、最後の合わせ、、最後の試験・・・学生さんは皆名残り惜しそうにしていますが、卒業はただ「一段落した」という印のようなもの。音楽は、職業にしようともしなくとも常に共に有るものだし、その人との関係がここで終わる訳でもない。毎週レッスンで顔を合わせていたのに比べてちょっと間隔が空くけれど、次に会える時にどんなに変わっているかな?と楽しみに待っています。 とは言え、こうやって年々卒業生を送り出す春もかれこれ10回越したような気が・・・。 2013年1月22日(火) 「8連チャン」 缶詰合宿から戻って早半月・・・。 予想通りというか予想以上というか、そんな慌ただしい毎日が帰京した翌日から待っていました。大学では1月終わりから2月始めにかけて実技試験週間となります。そのため暮れから2月頭までは試験に備えて、まず合わせを始め、レッスンに同行し、おさらい会があり、そんな一連の行事(?)で毎日がバタバタと進んで行くのが例年の事なので覚悟していました。それにしても今年はハプニングが多い〜。 よりによっての8日連続本番、それも1日の内に2つ3つ重なる日も有り。さすがに8日間も黒服ばかり着ていると気が滅入ります。どこかの進行状況が変われば、出番が重なって間に合わなくなってしまう恐れもあります。譜めくリスト(譜めくりをして下さる方)をお願いするかどうか、近現代ものの変拍子だらけの譜面を見ながら、自分でどうにかめくるようにすべきか頭を悩ませ・・・いろいろ考える事があるのは、この性格ゆえ? この8連チャン初日はなんと大雪!あまりにも雪も風もすごくて・・・学生の頃から大事に使っていた傘、とても丈夫なつくりで今まで悪天候にも耐え、電車内やお店に置き忘れてきても必ず取り返してきたのですが、なんとこの日の突風で壊されてしまいました(ショック・・・)。そんな中、コントラバスの学生さんはマイ楽器を学校から運んできてくれたのですが、キャスターでゴロゴロ転がす事が不可能かと思われる積雪。大変な時間もかかったそうですが、道行く人々が皆助けて下さったそうです。何だか嬉しい話。 今日も長い1日が終わった〜っと駅に着いたら、まさに今何がしかが起こって電車が止まった、そんな日もありました。車内で待つのも無駄なので駅のすぐ下で食事して待っていたのですが、電車が動き始めたのは終電間際の時刻。結局普段はもう走らないような時間に電車が動き、接続電車も無いので最後はタクシーでどうにか家にたどりつき、わずか数時間で再度出勤という日もありました。 都内を抜けだし、近郊での音大生のジョイントコンサートにも(伴奏で)お邪魔しました。地域の方々がそういう発表の場を作って下さり、ふらっと気楽に聴きにいける温かい空間がそこにありました。わが街で音楽人を育てようという大人の皆さんのお気持ちがよく伝わりましたし、音楽を身近に感じて頂こうという想いも強く感じられました。そんな中で温かく見守られている学生さんは幸せですね。 その他小さい事はもちろんいろいろ起こりましたが、そんな8連チャンがやっと昨日終わり、今日は何か明るい色の、肩の凝らない楽な格好で行こうと、もくろんでいます。 毎日毎日朝から晩までいっぱいいっぱいの生活がもう少し続きそうですが、今日はどうにかこうにか少し書けました。さて本題。3月のピアノ・デュオのチケットも発売から1週間。席数が各日70と少なめなので、いらして頂ける場合はどうぞお早めにご連絡下さい(このサイトのトップページ、メールからどうぞ)。そして音楽雑誌の月刊ショパン2月号、先週発売になりましたが、その中で伴奏について4ページも頂いて書かせて頂きました。暮れに悩みながら書いていたあの記事です。正に今、日々伴奏しながら感じている事をどう文章にまとめようか苦戦の連続でしたが、思うところはおおよそまとめる事ができたかな、と思います。よろしかったらこちらもぜひ読んでみて下さい。 天気予報では明け方雪と言っていましたが、今日はどうだか。さすがに都内の雪には懲りました・・・。 2013年1月7日(月) 「日没」 本日は大阪から更新します。ネットにつながるかどうかちょっと心配ですが・・・。 3月の公演が決まったところで、年明け早々から例年通りのピアノデュオ缶詰合宿。こちらに来るまではとにかく年末年始のバタバタでかなり疲れましたが、環境を変える事はかなり大きな意味を持つもので、すっかり気持ちは切り替わっています。荷物の中で楽譜が占める割合が一番ではないかと思う位、来るまでは本当に重いのですが、いざ始まってしまえば移動もないので関係ない、と。 20年位前までならいろいろシャットアウトできたでしょうけれど、今はケータイやパソコンを通じてどこにいてもつかまってしまう時代。こっちに居ても、帰った翌日からの合わせのスケジュールを組むとか、諸々の用事は普通にしています。それでも特に予定らしき予定もないので、時計も見ずに集中して合わせができ、気付けば3〜4時間位普通に経っている。そして普段に比べるとびっくりするほど良く寝られる。冬の寒さはめちゃくちゃ厳しいところですが、非常に気持ち良く過ごせるありがたい環境です。 今日は快晴。日中ずっと晴れ渡っていて青い空が眺められましたが、圧巻は夕方。連日夕焼けが綺麗なので、夕方になると練習の手を止めて夕焼けに見入ります。まず日が沈む瞬間、そして空が茜色に輝きだす時、そしてそれがだんだん暗くなっていく時、と順番に。練習しようとしてもふと後ろを振り返ると美しい空が見えるので、練習は雨でも夜でもできるけど、こんな美しい日没は滅多に見られない、と練習後回しでぼぉっと空を見てしまうという具合。今日の美しさは感動ものでした。そして空の下にいるいろいろな人に思いをはせました。 東京に戻ったら現実が待っていますが、その現実にしっかり向かえるエネルギーは蓄えられたようです。人に頑張らなければならない時期が必ずあって、その時は必死で頑張らなければならない。そんな1月となりそうですが、落ち着いて過ごせるようにしたいものです・・・。 2013年1月4日(金) 「2013新年のご挨拶」 新年明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。 ご挨拶が遅れまして失礼しました。新年を迎えたという実感をあまり持てないまま2013年はスタート、早速昨日から仕事始めでした。 今年の抱負というほどの事は特にありませんが、強いて言いますと「今までと同じままではいけなくて、勇気を持って変えてゆくべき」。そして「周りの事を気にせずに自分にしかできない事を着実に、自分の器相応に」。そんな生き方をしようと常々考えるようになりました。何と言っても昨年は目いっぱい盛りだくさんで、過ぎるのがとにかく早かった〜。1ヶ月位だと思っていたら3ヶ月経っているのはざらで、1年前の年明けの頃の話がどうしても1年前に思えないのです。夏から秋にかけて、訳分からないほどがむしゃらに動いて、あまり記憶のない時期がありました。もちろんどれもこれも自分にとって大切な出来事ばかりですし、決しておざなりにせず真正面から向かい合った結果です。でも今後はもう少しゆとりが持てるような生き方をするべきだと思いますし(毎年言っていますが)、大事な事のために何かを諦めるという選択をしなければならない事も増えるでしょう。 年1回の自主企画のソロ・リサイタルは、早いもので今年で20回目を迎えます(これまた全く実感がないっ)。始めた当初は1回1回がとにかく大仕事で、それで1年が回っていたかの如くでした。その後ほどなくして母校の弦楽科伴奏助手を務めさせて頂くようになり、定期のお仕事しながらリサイタルの準備をしてゆく事に恐れを感じてもいましたが、その後現在の音高音大の職につき、更に大変な状況になり・・・でも何だかんだと言いながらもどうにか続けて来られました。まわりの方々や環境に助けて頂いた事によるもので、とてもありがたく思っております。 20回、できればもっと続けたいとは思っていましたが、ここまで来る事もあまり考えていなくて不思議な感じです。とにかく決まっているのだからやるだけなのですが、今回はもっと大変な事にまだプログラムが決まっておりません・・・。常に頭の隅っこで考えてはいますが、早急に決定しなければというのが新年の最優先ミッションです。 世の中は相も変わらず不安定ですし、大変な思いをされている方々も多い事と思いますが、希望をもって生きていける世の中になる事を切に祈ります・・・。明るく穏やかに過ごせる年となりますように。 しかし今日は本当に寒い。皆様もお身体にお気をつけて下さい・・・。 |
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