ひとりごと(2011年6月分) |
2011年6月30日(木) 「ミルキーウェイ」 いきなり真夏のような熱さ(暑さでなく熱さ!)がやってきました。それでも学校は冷房の入らぬところも多く、夏は汗をかくものと割り切って汗だくだくで過ごしています。 いつ寝ていつ起きているんだか自分でも分からぬ今日この頃。今日は学校へ行った後、そのまま帰らずに長野の峰の原高原に向かいました。この時期お花が綺麗だと伺っていますが、お天気に恵まれるとよいな。 そして深夜にこちらに着いたのですが・・・なんと!車を降りたら満天の星。天文写真でみかけるような星々の数に目を見張りました。明るい星暗い星がたくさん真っ暗な夜空にちりばめられていて、天の川は正にミルキーウェイ。星は一つ一つ数えるものだと思っていましたが、数えられるものではないのですね。多数の星のきらめきに圧倒され、しばしそこに立ちすくんでいました。荷物を一旦置いてまた戻ってみたら、既に薄雲に覆われた後。さっきのは幻?なんて思ってしまうほど。しかし綺麗だった〜。 土曜の本番に向けてこれからいろいろ準備をします。フォルテピアノも明日運びこまれ、コンサートの構成も考えなくては。 それにしてもここは本当に良い環境。自然の中で聴こえる音、見える風景、感じる風、音楽に影響しますね・・・。 2011年6月28日(火) 「タッチ」 毎度おなじみの月末連続更新です。 昨日の続き。モーツァルトを現代ピアノで弾く時に感じていた謎の数々が解けたという話。 子供の頃、実はモーツァルトを弾くのは嫌いでした。正確に言えば彼の音楽が嫌いという訳では決してなかったのですが、自分で弾くのに手に負えないと子供心にも感じていたのでは、と今思います。粒の揃った音で細かいパッセージを弾くのが難しい。まぁこれは当たり前に感じる事。例えば楽譜上にフォルテが書いてあっても、ただそれを強く弾くのだったらモーツァルトの音楽に全くそぐわない。楽譜上のアーティキュレーション(音をつなげるとか切るとか)通りに弾いてもイマイチ格好がつかない。だけどどう解釈したらよいか、そしてどう弾いたらよいか?年と共にだんだんモーツァルトの素晴らしさも理解するようになり、ピアノを弾く上での問題点が解決していくのと共にモーツァルトを弾く事もだんだん好きになり・・・そして今に至ります。 モーツァルトらしさを現代ピアノであらわすのに、今はかなり細かいペダルを使っています(秘密!)。古典派の作品は音価(音の長さ)が特に重要で、響きの扱い次第で意味も変わってくるのですが、中でもモーツァルトは音色の種類も(ロマンはとは別の意味で)たくさん必要で、格別に難しいと思うのです。我ながらペダリングが細かいと思ったりもするのですが、それがなんと!フォルテピアノで弾くとペダルは殆ど使わずに済んでしまったのです。あの楽器の音色、響きの長さ、タッチの軽さ、楽器のダイナミックレンジ(音量の可能性)、どれ一つ欠けても無理なのですが、今まで何十年も苦心して探してきたのに・・・と思わざるを得ないほど、あっけなくその答えがみつかったのでした。まぁこれから先も現代ピアノで弾いてゆくにあたり、何十年も探してきた事は決して無駄ではないですが。 あともう一つ、膝レバーの存在も。昔の楽器の「ペダル」は今のように床に向けて踏みこむのではなく、膝で上につき上げるものでした。鍵盤の裏あたりにレバーがあり、膝を上げて操作するのです。したがって足先のように細かな操作をするのは無理で、かなり大雑把なペダリングしかできません。だからこそ元々細かなペダリングを必要とするはずもない訳ですが、普段全然使わない筋肉を酷使しました。 タッチも弾き始めた時は軽くてとまどいました。チェンバロは副科と室内楽で学生時代弾いていましたが、フォルテピアノはほぼ初めて。チェンバロのように少しひっかかる感覚もなく、軽いし浅い。おまけに鍵盤の幅は細いし、黒鍵が意外に長いので白鍵だけの部分が狭い。果たして慣れるのかなと心配していましたが、2日弾かせて頂く内に大分音のコントロールができるようになりました。しかし、学校でいつもタッチが重いと感じている某社のピアノを昨日弾いたら、逆に重さに戸惑いました。弾き分けはやはり大変です。 とは言え、こんな面白い企画に参加させて頂ける事になって感謝です。聴き比べるチャンスもそう滅多にないので面白いと思うのですが、何よりも自分が一番楽しんでいます。お近くにお住まいの方、そして遠方の方も宿泊できるそうですので、ご興味とお時間がありましたらぜひお出かけ下さい。 昨日夏休みの予定が一気にいくつか入りました。例年以上に今年は音楽漬けの予定。常日頃から溜まっている雑務が手つかずになりそうで怖い、そんな今年の夏休みです。それよりも、もう今年も半分終わるのですね。そう言えば夏だというのに、外出する際にまだ一度も半袖で行った事がない。暑いと思いつつ、未だ半袖を着ない感覚でいられるのが不思議。 今日も暑そう。ちょいと眠ってからまた学校へ行ってきます・・・。 2011年6月27日(月) 「加賀野菜」 またもや日にちがあいてしまいました。この間、正に怒涛のような日々・・・。と一つ一つ並べても面白くないので書きませんが、そんな訳でお許しを。完璧主義でまとめようとするとにっちもさっちもいかなくなるので、サクッと思いつくままに書きます。 週末は富山に行っていました。前回↓も書きましたが、来週のコンサート(コンサート情報をご覧下さい)では現代のピアノとピリオド楽器の弾き比べをします。その時会場に運んで頂くフォルテピアノ、1日で慣れるとはとても思えないので、前もって時間を取ってその楽器に会いに行ったのでした。 今回弾かせて頂くフォルテピアノだけではなく、まだまだた〜くさんの楽器がそこにあるという事を伺っていましたが、着いてびっくり!想像を超える台数でした。チェンバロやクラヴィコード、フォルテピアノの数々・・・どれも自由に弾いて構わないというありがたいお言葉を頂き、触り始めたら感動のあまり、あれやこれやノンストップで弾き続けていました。ふと我に返って、「あ、そうだ、モーツァルトの合わせをしつつ楽器の音とタッチに慣れたくて来たんだっけ・・・」。それ位の魔力がありました。 来週弾くモーツァルトの連弾ソナタや変奏曲が書かれたあたりに作られた楽器(のレプリカ)だそうですが、今までモーツァルト(他の曲でも)を現代ピアノで弾く時に感じていたいた謎の数々が、一つずつ解けていきました。そして何度か舞台に載せているアンダンテと変奏、こちらは弾き方もペダルの扱いもがらりと変わりました。フォルテピアノで弾く事を想定してまだ作り込んでもいなかったお初の連弾ソナタ、現代ピアノで合わせた時に迷ったりもめたりした事が、するっと解決しました。オリジナル楽器で弾く意味はここにあるのですね・・・。 と具体的に書こうかと思ったのですが、寝る時間がなくなるのでまた次回に。 さて、久々の貴重なオフ、当たり前に家事などやっていたら肝心な事は何もできずに終わりました。金沢の近江町市場でたんまり仕入れた加賀野菜、悪くならない内に料理しようと思ったら、意外に時間を取ったのです。でも今はそういう事がしたい。買ってきたのは加賀野菜の打木赤皮甘栗かぼちゃ(鮮やかなオレンジ色の小粒なかぼちゃ)、加賀きゅうり(太いウリみたいな形のきゅうり)、赤ずいき(赤紫の里いもの茎)、金時草(きんじそう、表が緑、裏が紫のお野菜)、そして鮮やかな紫色のカリフラワー。ワインレッドのお野菜が多いのはなぜか?と思いつつ、赤系3種は既に胃袋の中。美味しく頂きました。しかし赤ずいきの皮むきの大変さにはちょっとばかり閉口。 今週も佳境です。ひとりごと更新も頑張れるかな・・・? 2011年6月18日(土) 「教員免許」 すっかりご無沙汰しております。いつしか日も長くなり・・・と思ったら夏至も近いですね。皆様お元気でいらっしゃいますか? お陰様でリサイタルも何とか無事終了致しました。お忙しい中いらして下さった皆様、本当にありがとうございました。今年もまた何かいつもと違うような、そんな心持ちで演奏できたような気がしております。終わった直後から今に至るまで、いろいろな方々からメールやお手紙を頂きました。とても嬉しくありがたく拝見しましたが、未だ全然お返事出来ておりません。本当にごめんなさい。たくさんの温かな想いを受け取らせて頂き、それを糧にまた前に進む事が出来ています。落ち着いて気持ちがまとまったら改めてお返事させて頂きたいと思っていますので、よろしくお願い致します。 今となっては遠い昔の事なのですが、今年はちゃんと振り返って書きたいと思い、いろいろメモに書き残しました。しかし!5月はいろいろな事全てをリサイタルの為に無視してきたので、例年の事ながらそのツケが回ってきています。5月はさらうために寝られない日々が続きましたが、今は恐ろしき前期末が迫ってきた学校の諸々、次にさらわなければならない曲諸々、家の中の雑用諸々・・・に追われています。何をすべきかすぐ忘れてしまうので逐一メモる事にしましたが、そのメモの膨大な事。ToDoリストが増える事、読んでいない新聞がたまる事などなど最も嫌で、考えただけでも気が遠くなりそう。帰宅が遅いので何かに没頭してしまうといつしか外は明るく、ちょいと仮眠してはまた家を出るというような無茶苦茶な生活続きの日々です。 今ぐっちゃぐちゃになっているこの生活の理由の1つが教員免許状更新講習。春頃に探さなくちゃと思っていたのですが、とてもそんな気になれず、リサイタルが終わってやっと重い腰を上げた訳です。どこで何を受けるかを調べるだけで相当手間取り、それがいろいろ当初の予定と変更になっていて既に申し込みは終わっているものも多く・・・要するに出遅れ。そんな事言われても先々の予定をはっきりと決められないこの職業、うかうかしていると免許失効するかも?とこの数日焦っています。 教員免許で思い出しましたが、今高校で教育実習生の学生さんを担当しています。内容は詳しく書きませんが、ひとコマの授業にかける情熱が素晴らしく、あれもこれもやりたいという思いがいっぱい詰まっている授業計画書を書いてきてくれました。それをどうにかかなえてあげたいと思いつつ、でもアブハチとらずにならないように冷静に、もっと内容を絞って時間内にちゃんと思いが伝わるまとまった授業にするにはどうしたらよいか、いろいろ考えています。正に私自身の問題でもある、と。 さて、急ですが来月初めに長野でまた連弾の再演ができる事となりました。新しい曲も増やし、また現代のピアノとピリオド楽器(当時の楽器)の弾き比べもあるので、楽しみなのです。 あ〜あ、今日もやっぱり朝になってしまった。更新が滞ってご心配をおかけすると思って書いてみましたが、中途半端でごめんなさい。今日やるべき事の準備もまだなので、今から超特急で片付けてからちょいとひと眠りします・・・。 |
過去のひとりごと1へ ホームへ |
ピアニスト石田多紀乃 オフィシャル・サイト http://takinoishida.com メールアドレス mail@takinoishida.com |
本サイトの内容の無断転載・複製は固くお断り致します。 Copyright (c) 2004-2020 Takino Ishida All Rights reserved. |