ひとりごと(2011年1月分)

2011年1月31日(月)              「副科」

今日は寒かった〜。しかしこんなに寒いにも関わらず、何と花粉が飛び始めています。目や耳の中がかゆくなり、なんか変だなと思ったら・・・既に結構ひどい症状が出ている人も回りにいます。昨年の7〜8倍とか・・・?やめてぇ。

今日は心温まるものを聴かせて頂きました。卒業間近の高校3年の副科発表会。授業のめぐり合わせでたまたま濃く関われた学年なので、ほとんど全員分かるのです。皆どんな演奏をしてくれるのか楽しみでしたが、期待をはるかに上回る楽しい楽しい発表会となりました。昨日書いたばかりの「音楽はその人そのもの」をまさに実感。楽器が違ってもその人らしさは如実に演奏に現れるし、いい演奏であるかどうかはその人が音楽を心底から感じ、また愉しんでいる事にかかっている。皆が自分にとっての大切な曲を思い思いに選び、実にのびのびと演奏していました。そして、クラシックとジャズとミュージカル、ジャンルが違っても同じクラスで学んできた事が、いい影響を及ぼしてあっている。そんな事も感じました。ここで3年間、充実した日々が送れたみたいで、また音楽の核の部分にも触れられたようで、とても嬉しくなりました。

話は全く変わり・・・最近レッスンしていて考えた事。テクニックはおおざっぱに分けて3種類あると思っています。例えばスケール(音階)やアルペジオ(分散和音)、オクターブや同音連打、トリルなどのように、ある特定の音型の弾き方に関する指や腕の使い方が一つ。しっかりした音を出すとか弾き続けても疲れないように、筋肉を鍛える事が一つ。そして、いかなる時でも良い音や自分の音色を創り出す為の方法は、全く別に存在します。何のために練習曲を勉強するのか?弾く事そのものに苦心している時は、いい音を出すために神経は遣えないからこそ、先に困難を克服しておくのです。良い音や自分の音色を創り出す事が最終的に一番大切なのに、意外にそこにゆきつくまでの段階で満足(あるいは妥協?)してしまう事が多いのが気になります・・・。

お気に入りの風景カレンダーをじっくり眺める事もできないまま、2月に突入。大学の授業期間は終わりましたが、正念場はこれから。そして、そろそろ連弾の方も、そして自分のリサイタルの方も始動しなければ。その前に梅が見たいです。家の小さな小さな梅は年明け早々咲き始めましたが、ピンクや白の霞の中で甘酸っぱい香りにクラクラしながら春を感じたい、というのが今のささやかな願望です・・・。



2011年1月30日(日)              「向かい合う」

ご無沙汰しております。半月空く事は度々ありましたが、これを書くのは数カ月ぶり?という位の気分。

例年1月は徹底的に学校に棲みつく生活になります。今年も案の定そうなりましたが、いつも以上にきつかった。という理由を毎度書いている気がするので省きますが、それにしてもよく体も神経も持ったな〜というのが我ながらの感想です。毎晩遅くに帰宅し、「今日もやっと終わった」と思うより前に「明日の大変なものって何だっけ?」。翌日に合わせか本番がある「あの曲」が頭に浮かび、夜中にひとあがき。朝になったら「今日も頑張らなきゃ」と思いながら駅へ向かう。相当寒いはずなのに、荷物もめちゃくちゃ重いはずなのに、そんな事を考える間もないまま1月が終わります。気力ってすごいもんだ・・・。

この半月、自分のクラスの試演会が3夜あり、また学生さんのおさらい会やゼミのコンサートで伴奏の機会も度々あり、学生さん達といろいろな形で向かい合いました。ある学生さんとはレッスンで、あるいは合わせでただひたすら音楽を通じて向かい合い、ある学生さんは思うところ考えた事をぶつけて来、また別の学生さんとは本番舞台で今までと全く違う音での会話ができ、卒業を目の前にした学生さんとは4年間を振り返っていろいろな話をし・・・音楽はその人そのもの。それ以上でもなくそれ以下でもなく、まるごとその人をあらわしたものだ、と。だから演奏を聴かせてもらう事がつくづく好きなんだろうなと思うのです。

人と向かい合う事で、結局自分にも向かい合う。本番に向かい合う事で、普段の自分に向かい合う。時間や心のゆとりがなくなった代わりに、自分の中の余計なものや雑念もすっぱりそぎ落とされる。そういう状態が心地よいからこそ、きつきつのこの生活も実はそんなに嫌いでないのかもしれません。

それにしても、文章を書く事そのものに遠ざかってしまった結果、本当に書けなくなっています。もっともっとたくさんの事を感じたり考えたりしたはずなのに。と思っていたら、いつの間にかうとうとzzz・・・。今日は久々に家に居られましたが、明日からまた怒涛の生活に戻ります。

それにしても。今一番必要な事って何だろう・・・?



2011年1月15日(土)              「いい温度」

あっという間に年が明けてから半月。いつしか寒〜くなりました。昔は寒さは全くへいちゃらだったのに、今は猛暑ならいくらでも耐えられるのに・・・と思いつつ、最近は手袋までするようになっています。

手袋はなぜだか普段しないです。数年前、お気に入りの色のものに衝撃的に出会い、そしたらするかなと思ったものの、やはり普段は素手。土いじりする時も土の感覚を確かめたいから、軍手もせずに素手(だからしょっちゅう棘にひっかかれます)。多分、何かをつかむとか触るとかそんな感覚を大事にしたいからでしょう。・・・と言いつつ、さすがにこれだけ寒くて乾燥して風にぴゅうぴゅう吹かれると、それだけで手がばりんばりんに割れてきます。職業病の爪の角ならいざ知らず、この頃は指先の外側(爪の下とか横とか)も割れるようになり、この前はついに指の腹がぱっくり割れ・・・流血してついに観念し、手袋をするようになりました。

・・・という人間に限って、ハンドクリームはなぜだか何種類も持っています。頂いたものも多いですが、自分でも最強の効き目の物を常に探しているので。昼間はこれ、寝る前はこれ、ピアノを弾く時はこれ、みたいに使い分けています。ひび割れとの対決はこれからが正念場です。

仕事が始まったらすさまじい事になっています。いつしか気付けば伴奏だけでも既に20数曲。その内何曲かは全楽章。去年の今頃はほぼ全部がレパートリーだったのに今年は初物がとにかく多く、それも近代以降の無調、変拍子も当たり前。曲が重なった人も1人だけ。こういう場合、合わせの時間内で覚え、さらい、弾けるようにするという強い決意が必要なのであります・・・。

昨夜は、年末の室内楽試験の結果選ばれたグループによるコンサートを聴いてきました。ここから更に外部のホールのコンサートに出演するグループを選ぶのです。よりどりみどりのさまざまな編成の演奏を、4時間ずっと座って聴き続けましたが、いい音楽にはいい温度があると思えました。ある時は燃え盛る熱さ、ある時は内に秘めたる静なかる熱さ・・・。特に室内楽は「一緒に音楽しよう」と思うメンバーが集って演奏するからこそ、そういうものが生まれないと楽しくないはず。そんな事がふと頭に浮かびました。

ところで手前味噌ですが、3月11日のピアノ・デュオ・リサイタル。大変嬉しい事に、いらして下さる方が多いようです。限定70席なので、チケットお入用の際はお早めにご連絡下さい。どうぞよろしくお願い致します。

今週は何人もの学生さんが嬉しそうに成人式の話をしてくれて、また写真も見せてくれました。新たな決意を持って目をキラキラさせているのを見ると、こちらも嬉しくなります・・・。



2011年1月1日(土)               「2011新年のご挨拶」

明けましておめでとうございます。皆様はどのように新しい年をお迎えでしょうか?今年こそは平和で安定した年になりますように、切に祈っています。本年もどうぞよろしくお願い致します。

さて今年の抱負ですが、抱負と言うほど大それたものでもありません。自分にできる事、自分にしかできない事を見極める、当たり前に思えるような事を大切にする、一度決めたら迷わない、という事でしょうか。抱負なんて何も決めていなかったのに、今打ち始めたらすらすらすらと出てきたのが不思議です。全てが昨年の経験と反省に基づいています。全く迷わない人生はそれはそれで素晴らしいという言い方も出来るかもしれないけれど、どこかに小さな嘘を隠し持っているような気がします。でも迷っているばかりでは決断力がないという事。これでいいと100%思ってしまったら進化しないと思っているので、大体どんな時でも大なり小なり迷いはあるのですが、昨年は何故だかたくさん迷いました。迷う過程を経て自分を信じる事ができるなら、それには大きな意味があると思えます。だから今年は昨年より少しだけ自分を信じられる強さを持ちたいなと思うのです。

実は前回更新した直後、パソコンがなんと反乱を起こしまして、このひとりごとのページの中身がそっくり消えてしまいました。頼みの綱のバックアップ・ファイルも全く同様。真っ青になりながらも「冷静に冷静に」と頭をめぐらし、ウェブの方からコピペしてどうにか元に戻す事ができました。しかしその後も起動ができなくなったりして、よりによってどうして大晦日にこうなるかな。ぼちぼち2年経つので、パソコンもいたわってあげなければいけないようです。とりあえず今は普通に戻っています。

このお休みは何だか気ばかり焦って、「二兎を追うものは一兎をも得ず」状態。二兎どころか三兎も四兎も追っているかもしれません。久しぶりに楽譜の整理をし、果たして練習間に合うかな〜とため息つきつつ、意地でもひとりごと更新っと書き始め、ちょころんとお掃除しつつ、あぁお年賀状・・・と思い、紅白歌合戦も見てしまい・・・。二つ以上同時進行できない性格に輪をかけて、とことん追い込まれるまで動けなくなっています。

ところで東京スカイツリー、年の変わり目にライトアップされました。クリスマス時期もされていたのですが知らなくて、見たのは今回初めて。工事用の照明らしいのですが、それでも幻想的で美しくて、完成に向けて期待感が高まっています。

仕事始めは3日から。暮れもバタバタしていましたが年明けもゆっくりできず、いざ始まってしまえば2月中旬まで息もつけません。1年で一番多忙な、最も恐ろしい時期がやってきます。休みも返上せざるを得ないシーズン、インフルエンザはおろか風邪もひけないので、予防用のマスクが手放せなくなりそう。今年は1月いっぱい普通に授業期間、その合間をぬって試演会やおさらい会やゼミの演奏会があり、合わせをし、レッスンについて行き、2月に入ったら実技試験期間。一体いつさらうんだか間に合うんだか、今からどぎまぎしているのですが、この忙しさのお陰で寒さを忘れる事ができるのです。春が待ち遠しい・・・。

さ、早くお年賀状書かなきゃ。頑張ろっと・・・。


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