ひとりごと(2012年2月分)

2012年2月29日(水)             「2012ピアノ・デュオのプログラム」

さて、今日は予告通り、今回のピアノ・デュオ(第2夜)のプログラムについて。

そもそも今回のデュオ・リサイタルをする事を前から決めていた訳ではないのです。正式に決めてサロンの申し込みをしたのがいつだったか・・・昨年秋だったと思いますが、そんな訳でまとめてどぉんと曲を用意した訳ではなく、この1年間に弾いてきたものからまとめたという方が正しいです。昨年は、ありがたい事にデュオで弾かせて頂けるチャンスをいろいろ頂けた、そんな1年となりました。

昨年第1回目のプログラムはモーツァルトの変奏曲然り、マ・メール・ロワ然り、ノルウェー舞曲然り、エスパーニャ然り・・・まさに名曲オン・パレード。名曲であるがゆえ何度となく弾かせて頂く機会があり、その都度魅力を発見し、楽しく演奏させて頂きました。ただフンメルのソナタだけは(とても気に入っているにも関わらず)本格派の長大な作品なので、あれから演奏の機会がなかったのが残念。1年ぶりにまた取り組める事が嬉しいです。昨年の秋の大阪クラシックでのプログラム、この中からノルウェー舞曲を、そして新たなレパートリーとして選んだのがバーンスタインのキャンディード序曲、そしてアンコールに演奏したアルベニスのアラゴン。この時の選曲の理由は9月20日「2011大阪クラシック」に書きましたので、よろしかったらそちらをご覧下さい。

そう言えばその前に昨年夏、長野でフォルテピアノと現代ピアノでのコンサートがありました。モーツァルトの時代の楽器なので、モーツァルトの変奏曲に加えて新たに連弾ソナタの変ロ長調を勉強したのでした。あの時、現代ピアノで「モーツァルトらしさって何?」と長年苦しんできた事は一体何だったのか?と思わされるほど、いろいろな問題が一気に解決したのでした。いやぁ本当に楽しかった。バッハをチェンバロで弾く事で見えてくる事があるように、やっぱりその時代時代の楽器から教わる事があるものなのですね。

えぇと、その次に新しく取り組んだのはブラームスのハンガリア舞曲5番。立山のコンサートのアンコールとしてリクエストされたのでした。有名過ぎる程有名過ぎるこの曲、こういう事がなかったらなかなか怖くて弾けなかったかも。意外に音が少なく、楽譜上のリズムもシンプル、格好良く弾くのは本当に難しいと痛感しました。音のバランスやテンポ設定、アドリブ的要素など含め、本能で弾いているようで、ちゃんと考えながら弾いている事も実はたくさんあります。

以上、この1年間で取り組んだ曲を軸に、昨年のリサイタルの曲は入れずに新たなプログラムを組むというのはなかなか大変な事でした。この中では、モーツァルトの連弾ソナタを冒頭に、ブラームスのハンガリア舞曲は1、2、5番をまとめよう、バーンスタインのキャンディード序曲は全く路線も違うし、序曲だから後半のオープニングに、しかしメインに据える曲がない。という事で時間的にある程度の長さがあり、内容的にもずっしりくる曲を、何冊も初見で弾いて探しました。結果、以前から弾いてみたかったラフマニノフの6つの小品を、バーンスタインの後に入れる事にしました。となるとブラームスは前半に、でも前半が時間的にまだ足りないのでモーツァルトとブラームスに合わせられる曲を、という事でドイツもので弾いて探しましたが、これまた難しい。ちょっと短いのですが、華やかな感じのメンデルスゾーンのアレグロ・ブリランテを選びました。後半はラフマニノフでも充分な分量ですが、せっかく弾いてきた事ですし、最後は楽しい曲をという事でアルベニスのアラゴンも弾く事にしました。

という訳で6人の作曲家、5つの国が並ぶプログラムが完成!ちょっと多いかな・・・?



2012年2月28日(火)             「ポジション」

大阪缶詰合宿から一昨日最終で戻ってきたばかりだというのに、随分昔の事のよう。昨日は試験シーズンからずっと気になっていた野暮用をいくつも連続で片付け、体のメンテナンス(マッサージ)にも行ってきました。大阪ではいつもの何倍もの睡眠がとれたし、捻挫がとにかく気になっているので、体の調子はそれ以外は至って上々!なんて思っていたのですが、なんと背中が前代未聞のひどさだったそうです(いゃ、治療は痛かった・・・)。それもいつもは右の方がひどいのに昨日に限って左、おまけに何故か左腕も。体全体で右足をかばった結果でしょうか?摩訶不思議な話です。

という訳で実はこのひとりごとも途中まで書いていたのですが、とにかく疲れてヌクイ布団にもぐりこんだが最後、気がつけば朝に・・・。意識のどこかで万が一眠り込んだ時の為にアラームをかけなきゃと思いつつ、それより先に夢の世界へご到達。起きて真っ青、今日は高校の授業最終日、試験だった事を思い出し、慌てて飛び出しました(ちゃんと間に合いました)。めったに寝坊はしないのですが、しっかり寝倒す生活リズムに慣れてしまった上に、昨日は捻挫に気をつけつつよく歩いたし、おまけにマッサージで血行もよくなったとなれば、当然の結果でしょう・・・。

今日から本番の日まで、ほとんど隙間のない位集中的に合わせが入ります。頭のどこかで平均律をせめて毎日1曲ずつとかさらえたらと思いつつ、とても心の余裕も時間もない。デュオ・リサイタルの2回分、トータルで3時間弱の曲目全てを納得いくまでさらって合わせるのは、並大抵の事ではないなと実感しています。まだ出来ていない事その1、デュオの曲目解説書き。その2、一人でパート練習。その3、演奏を録音してチェックする事。いやはや・・・あと半月が正念場です。

話戻してこの缶詰め合宿、昨年2泊3日では足りぬと思ったので今年は3泊4日とりました。寝るとか食べるとか、普段ことさら追いやられている事はとにかくゆったりと。お陰で今までの慌ただしさをすっかり忘れられるほど、しっかり心も体も休ませられました。でも個人練習の時間は今回ゼロ、お天気も良くなかったのでお散歩もあまり行けず、パソコンを持参したにも関わらず結局1回も開けないまま。ひたすら合わせていて時間が経つのを忘れていました。ただただ音楽に集中しているだけの生活のようで、でもここで過ごす時間が本当に好きです。大きな空と広い田んぼに囲まれ、おまけにとんでもなく寒いけれど、とても静か。お庭に出て咲いたばかりの梅やロウバイの香りを嗅ぎ、鳥の鳴き声に耳をそばだて、遠くの山や雲に目をやり・・・とんがりすぎて疲弊していた神経もよみがえってきました。

今回の合宿の目的、まだしっかり体にしみ込んでいないメンデルスゾーンとラフマニノフを詰める事、そして2晩分のプログラムを通してみる事。何とか目的は達成!それにしてもメンデルスゾーンには笑ってしまいました。なんであんなに弾けないのか。メンデルスゾーン特有の指を転がすかのようなテンポの速いパッセージが多いから、だけではなかったのです。腕がぶつかるなんてものではなく、2人の腕を重ねないと、あるいは交差させないと弾けないところがあまりにも多く、体が固まってしまっていたからでした。ちょっとした手や体のポジションを移動させただけで、あるいは意識的に脱力しただけで突如弾けるようになったところがどんなに多かったか・・・。という訳で、どっちの腕が上にくる?とか、弾き終わった腕をどの方向に逃がすか?とか、そんな事を一人でピアノの真ん中に座って弾いてみる、考えられるあらゆるポジションで弾いてみる、1つずつ全て試して答えを出す事に時間を費やしました。連弾のテクニックの難しさを解くカギを見つけられて、ちょっと嬉しい気分です。

・・・と書いていたら、なんと同じ事を原田さんがブログに書いていました。私の文章よりよほど分かりやすい(悔しっ・・・?)。という訳でよろしかったらリンクのページより、原田さんのブログへどうぞ。ま、考えている事は同じ。連弾はそれ位「近く」ないと難しいのかもしれません。

今公演2日目のプログラムをどう決めたか、その経緯についてはまた明日に・・・。



2012年2月20日(月)             「捻挫」

毎月恒例の月末連続更新。2月は短いので、あたふたする前に今から書きためておくのです!我ながら今月はよく気がつくなぁと思っていたら、何とまぁうるう年でした。得をしたような損をしたような・・・?

いつまでも寒いし花粉も飛ばないし・・・と昨日書いたら、これを読まれていたのか(?)今日いきなり来ました。外を出た途端鼻がぐすぐす、耳の中がかゆくて、のども痛い。先週位から周りで「花粉来てるね」という話をちょこちょこ聞いていたので、今年は体質変わって大丈夫かな?なんて淡い期待を抱いていたのですが、そんな簡単に体質なんぞ変わる訳がないっ。思い知らされました。という訳でこれから薬も飲んでマスクもします(マスクはインフルエンザ対策でいつもしているけど)・・・。

試験のどたばたシーズンが終わった途端、体もそれまでの我慢モードをオフにするのか、いろいろな事が起こるものです。消化器系はもともと強くなく、人並みの量を食べるだけで胃もたれがするタチですが、完全休業宣言された時がありました。全く食べ物を受け付けない感じだったので丸1日絶食。休ませてあげたら少しずつ機嫌を戻してくれたようです。

そして・・・よくなったからこそ今ここに書けるのですが、先週末は右足首の捻挫。実は今まで何回もひねってきているのですが、もともと関節がゆるいからか全く支障なく済んでいました。でも今回は何だかおかしい・・・1日冷やして様子をみていましたが、痛みがひかないので翌朝すぐ病院に行きました。そのまた次の日にある本番で伴奏をする事になっていて、その時ペダルを踏めるかどうかが気がかりだったのです。伴奏のお仕事、いつもは逆にピンチヒッターをお受けする事が多いので、どなたかにご迷惑をおかけする事になったら?という状況が一瞬頭をよぎりました。でも次の瞬間、明日の事なんだから左足で踏むでも何でもしてやり遂げないと・・・と思ったのです。

検査の結果は軽い捻挫。先生に訳をお話ししたら(なんとピアノをお弾きになる先生で、すぐ分かって下さいました)、ペダルが踏めるようにテーピングして下さいました。でもやはり怖い。結局当日会場での10分リハーサルまでピアノは全く弾かずじまい。リハーサルでは迷った揚句、左でペダルを踏んでいました。右足太ももの付け根が疲れてしまう時に左で踏む時もあるので(もちろん本番以外で)、左で踏む事自体はさして問題はないのです。そして本番。会場は結構明るいし、審査員席は予想外に近い。どうしよう?と思った瞬間右でペダルを踏んでいました。何日ぶりかの右足ペダル、やはり違和感があったので、弾きながら少しずつペダルをへらしていきました。踏み替えの速度を遅くする。踏むタイミングを遅めにずらす。指で音を残せるところ、つなげられるところは全て指に頼る(普段からそうしていても、いい響きの為にペダルを踏んでいますが)。とっさの判断でペダルを減らして切り抜けました。実際には伴奏者のペダリングまでみられる方はいらっしゃらないと思いますが・・・。

その結果分かった事。リズムを取るのに、つまり良いリズム感の為に右足の動きはかなり重要な役割を果たしていました。たまたま今回伴奏したのはコープランドのコンチェルトで、変拍子もジャズっぽいリズムも、不規則なアクセントも多々出てきます。普段何も考えなくても気持ちよくのれるリズムが、右足を動かさないようちょっと意識しただけで、これほど弾きにくくなるとは・・・。体のあちこちのさまざまな動きが連動して、一つの体の中でのリズムがつくられている、というような感じです。

さて、今日の話。病院に行ってテーピングを外したら腫れもひいていて、静かに気をつけて歩く位の事でしたらもう大丈夫ですが、普段通りに動けるようになるにはもう少しかかるそうです。3日間動きを制御していただけなのにふくらはぎやお尻の筋肉が落ちている事に、帰り道歩きながら気付きました。1日も早くスタスタガツガツいつも通りに歩けるように、しばし養生とリハビリを。それにしても伴奏の嵐も過ぎ、泊まりがけお仕事のない先週末だった事に、今更ながらホッとしました。逆に気が抜けていたのが無意識の内にでてしまっていたのか・・・?

毎日朝から晩まで出掛けている生活も終わり、お日様の高くなった時刻に出掛けたり、夕暮れの美しい時刻に帰ってこれたりして、何だか忘れていた生活を取り戻したような(大げさ?)そんな気がしています。やらなくてはならない事も気が遠くなりそうなほどたくさんあるのですが、体を休める事が第一と思ってあっさりとあきらめて夜は早々と寝、わずか2、3日そんな風に過ごしてみただけでも随分意識は変わるものだなと気付かされました。寝る前に心落ち着ける時間もとれなかったから、ちゃんと物事を根っこから考える事もできなくて、そうすると文章を書く事、ちゃんと思考をまとめたメールとか気持ちを伝えるお手紙、もちろんこのひとりごとも然り、それらが全くできなくなっていたのでした。実のある練習をするためにも、自分自身を見失わないように生活するためにも時間は必要、でも要領よく必要な事を順序良くこなしてゆく事も必要で・・・考え出すとキリがないのですが、今までの2ヶ月分の自分を取り戻そう。そんな事を考える今日この頃です。

6月のリサイタルのチラシ作成が今真っ最中。という訳でリサイタルの詳細をコンサート情報にアップしましたのでご覧下さい。こちらも相当大変で、でもすごく楽しみです。デュオ・リサイタルは既に1ヶ月を切っています。今週後半はお正月に続き、合わせのためにまたまた缶詰めになってきます。今年は鶯の初鳴きは聞けるかな?梅と春の野の花達は咲いているかな?ピアノを弾いて、疲れたら自然に出会いにお散歩に行く生活が待ち遠しい。つくづく、やりたい事をやらせて頂けているのは幸せな事です・・・。



2012年2月19日(日)             「なごやか」

またもやお久しぶりです。1月があっという間に終わったと思ったら、2月ももうすぐ終わり。しかし今年のこの寒さは一体何なんでしょう?例年だったら花粉も飛び始め、ぽちぽちと春らしさを感じる日もあって、気持ちは既に春モードなのですが、毎日凍えながら生活しています。寒いっ。

この週末は久々に家に居られます。1月終わりから毎週末泊まりがけでどこかしらに行っていて(残念ながら全てお仕事がらみですが)、家の中の事が手をつけられずガタガタ。来週以降もまた週末いないのでどうにか雑用を済ませたいのですが、とてもできそうにない・・・。あ、お雛様を早く出してあげなきゃ。

この間本当にたくさんの出来事がありました。一つ一つ全てを書く事が出来るかどうか分かりませんが、とりあえず書けそうな事から地道に書いていこうと思います。

怒涛の実技試験週間が終わったのが先々週。きちんと気持ちを整理する間もなく、試験の終わった次の日に丸1日かけて合わせと準備をし、その翌日に出発。先週末は芦屋で子供さん達を対象にしたコンサート、第2回目でした。前回っていつだっけ?そんなに経っていない気もするんだけど?と調べてみたら11月の事。なんやかんや言ってもう3ヶ月も経っているのにまた驚きです。

前回はピアノってどんな楽器?どういう風に音が出る?というところから入り、少しだけソロや連弾を聴いて頂きましたが、今回はがっつりと連弾ばかりのミニ・コンサート。前回に負けず劣らずたくさんの子供さんと親御さんがいらして下さり、私たちも楽しく弾かせて頂きました。いらして下さった皆様、そしてお世話して下さった方々皆様、本当にありがとうございました。

今回のプログラム、結局3月に演奏する2つ分のプログラムから選びました。最初にブラームスのハンガリア舞曲1、2、5番。そして今回初めて来てくれたお子さんのために、再度ピアノの中がどんな風になって音が出るか説明しました。そして「連弾してみよう」のコーナー。簡単で楽しく弾ける曲を持ってきて、初見で子供さん達に弾いてもらいました。難しい方のパートは私たちのどちらかが担当しましたが、初見なのに皆ちゃんと弾けて楽しくアンサンブルできました。ちょっとばかり間違えたってなんのその。1人で出来ない事が2人なら出来る。ず〜んと豊かな響きがピアノから聴こえてくる事にドキドキした子供の頃を思い出し、あんな気分なのかなと想像しました。これで「連弾は楽しい」空気が一気に充満。次にマ・メール・ロワを。これは1曲ずつ弾く前に、元になった童話、そしてそれがどんな風に音で表現されているかを簡単に話すつもりが、結構思い入れたっぷり話してしまい・・・私たちもこの曲が好きなのでそれがもろに出てしまった感じです。そして最後にキャンディード序曲。これはピアノの周りで間近に感じながら聴いてもらいました。やっぱり連弾は「室内楽」と実感。ピアノのソロでも2台ピアノでも、ここまで楽しくなごやかな雰囲気はつくれないとつくづく思うのです。

終わった後、さっきの連弾を一緒にやりたいという子供さん、自作の曲を持ってきて弾き歌いして聴かせてくれた子供さんがいました。皆音楽大好きで、そして一緒に楽しめる事を知っているのが本当に嬉しかった。たくさんのキラキラした目に囲まれながら演奏出来たのも、本当に幸せな事でした。皆が大人になってゆく過程で、心豊かになれる経験をたくさんしてゆけますように・・・。


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