ひとりごと(2011年11月分)

2011年11月30日(水)            「即興」

予告した続きのお話。芦屋のコンサートの翌日の事を簡単に。

コンサートが終わって一息つく間もなく、原田さんには翌日に同じく芦屋で大きなコンサートに出演する予定になっていました。「芦屋音楽都市宣言」の下に行われたコンサート。どういうコンサートだったかというと、共演者はとある素晴らしいサクソフォニストの方。内容は2人それぞれのソロの即興、原田さんが芦屋市民の子供さんの書いたモチーフを用いたサックスとピアノのデュオ(新作)初演、そしてバッハのゴルトベルク変奏曲や他の曲を元にした即興での共演・・・。せっかくだから聴かせて頂こうと思って1日長くこちらに滞在したのですが、結局は譜めくりのお手伝いをする事に。

リハーサルからずっと横で聴く事が出来ましたが、驚きの連続でした。なぜならどれもこれも初めてだったから。原田さんの作品そのものも、即興演奏も、ソロ(この日は即興でのソロでしたが)も。曲を書く事も即興で弾く事もできない私にとっては、音で自分の世界を創り、それを元に自由に羽ばたくという事が一体どういう事なのか、その意味を初めて知った気がします。

コンサートは大成功で、非常に盛りあがりました。当たり前の事ながら即興演奏は2人ともリハーサルとは全く異なり、引き出しの多さにも演奏の新鮮さにも惹きつけられたのでした。あんな事が出来たらいいな・・・と。あの場に居合わせられて本当に幸運でした。

終演後の打ち上げもそこそこで失礼し、翌日予定があったために寝台特急で帰りました。昔ブルートレインには数回乗ったことがありましたが、それ以来かも。鉄子でヒココ(勝手に命名、飛行機大好き女子)の原田さんは本当に嬉しそうでした。

・・・と駆け足で芦屋の数日を振り返ってみましたが、立山についてはまた後日。

数日後に非公開のコンサートが迫って来ているのですが・・・なかなかさらえず、さすがに他の事を一切振り払わなくてはならない限度まで来てしまったようです。学校は年度末がひたひたと迫ってきていて、実技試験の伴奏譜が毎日のように振ってきています。どうしたものだか今回も未知の曲がとても多くて、1月入ってすぐ次々と始まる本番に備えてまず譜読みをし、年内には通るように合わせを入れなくては。1年に一番忙しい時期がやってきました。

何はともあれ、これからさらいます。さらいたい・・・。



2011年11月29日(火)            「ピアノの仕組み」

連続更新、今日は芦屋での子供さん達のためのコンサートについて。

原田さんが毎回何かしら楽器を選んで、シリーズとして続けているコンサート。今回は「ピアノ」です。とは言え、ピアノは皆にとってもきっと馴染みの深い楽器。改めてピアノについてやるならば、さぁ一体何を弾いてどんな事を取り上げたら興味を持ってもらえるだろう?と頭をひねりました。なぁんて考えていたものの、どうしようかと直前まであぁだのこぅだの・・・いつもの事。

各楽器、いつも2回でワンセットで、1回目は音の出る仕組みとかその楽器の音色に親しめるような、そんな事をやっているそうです。だったらピアノがどんな風に音が出るか、それをみてもらおう。そして、ピアノの音色は皆わかっているだろうから、常日頃感じている事、ピアノは何の考えなしに弾いてもネコが鍵盤にのっかっても音がでるけれど、いろいろな音色を出せるし、同じ楽器でも弾く人によってまた違う音が出る。それを分かってもらえるような何かをしたいと考えました。

まず最初にショパンの小犬のワルツを弾き、ピアノの音を耳に入れてもらってから、ピアノの中身を見てもらいました。ベーゼンドルファー製のアップライト・ピアノは初めてで、どんな感じなのか開けてみるまで分からずドキドキ・・・。外す時の仕組みとかが微妙に違いました。前面部の板?を上部下部とも外し、どうやったら音が出るか、また各ペダルを踏むと何が起こるかみてもらったのですが、皆が「見えない〜」と殺到してすごい事に。普段中をそうやって覗いてみる事ってまずないでしょうから、新鮮だったみたいです。

次にやったのは・・・何だっけ(思い出しながら書いています)?そう言えば3人に前に出てきてもらって、「カエルの歌」を弾いてもらいました。ただし3匹とも違う注文で。ちょっと思い出せないのですが、かわいいカエルだったら?とか、男の大っきなカエルなら?とか、そんな風に同じメロディでもいろいろな表現で弾いてもらったのです。

その次には曲の当てっこを。ここでドビュッシーの子供の領分から3曲、「象の子守歌」、「雪は踊っている」、「小さな羊飼い」を弾きました。どれも1つ位しかヒントを出さなかったのにすぐ当てられてしまい、子供さんの勘の良さというか感性の鋭さに本当にびっくりさせられました・・・弾きながら思わず苦笑。それにしてもドビュッシーの描写力には脱帽。あんなに音が少ないのに音の選び方であれだけ表現ができてしまうし、子供の為の曲でありながら全く妥協がない。そこに音楽家ドビュッシーの姿が見えました。小学生の時にこれを弾いていた時にはもちろんそこまでちっとも考えられなかったけど。

というところで少し長くなってしまったので、最後に連弾でシャブリエのエスパーニャ。連弾のところで昨日も書いた通り、原田さんから「いい音楽にしようとするとケンカになってしまう事もあります」との一言。すぐ「音楽の上でのケンカだし、すぐその後仲直りするけれど」と(確か)付け加えた(気がする)けれど、終わった後に子供さん達に「ケンカするの?」とちょっと暗い顔で何度も尋ねられました。ケンカという一言がかなりショックだったのかな。気をつけて言葉を選ばなくては、とちょっと反省です。きっと分かってもらえたと思いたいけれど。

というところで次回につなげて終わり。次回は現時点では未定ですが、年明けてからそんなに日が経たない内にする予定です。2回目はがっつりと連弾を聴いて頂く事になるかと思いますが、何にしよう?私たちも曲を決めて合わせをしなくては。

当日の詳しい様子は原田さんのブログ(リンクのページからどうぞ)をご覧下さい。11月3日のところです。

しかし子供さんのやわらかな心と頭って本当にすごい。いろいろな事をしゅぅって吸収し、またそこから新たな反応が返ってくるのです。小さい時に感じた事考えた事はいつまでもいつまでもその人の中に残っていて、それを元にして心も頭も育ってゆく。出来る限りたくさん豊かな経験をして育って行ってほしいと願いました。

実はこの日の昼、連弾の撮影もありました。撮影が終わって即、場所を移して(すぐ近くでした)このコンサート。これだけでも相当にタイトなスケジュールなのですが、更に翌日にもまだ予定があったのです。以下また明日に(書けるかな?)・・・。




2011年11月28日(月)            「正反対?」

ついに月末。お約束の月4回更新を果たすとなると今日から3日連続で書かねばなりません。それを見届けられているのかどうか、毎月月末ともなればアクセス数がぐゎんと上がります・・・。

大学の方では今、学祭と冬の音楽祭が一緒になったウィンター・フェスタなるものが開かれています。ブラスやオーケストラなど合奏系授業の集大成となるコンサートを始め、室内楽などのコンサート、ライヴなどいろいろ。という訳で、関わりのある学生さんが出ているコンサートを週末、聴きにいっていました(どうしても都合がつけられなくて行けなかった、もしくは行けない学生さんへ、ごめんなさい)。

ピアノだけの室内楽コンサート(連弾、2台4手・・・)もあったのですが、これを聴いていて何故だか、今ピアノ・デュオを組んでいる原田さんの事をいろいろ考えていました。突如いろいろ頭に思い浮かび、ひとりごとに書こう!と思った事がたくさんあったのですが・・・忘れた。でも思い出せるだけでもちょっと書いてみようと思います。ま、これが今月有った2つのコンサートのご報告につながればよいかな、と。

コンサートのトーク、原田さんに最初はお任せしています。ご多分にもれず最初に言う事は、「この2人、見ての通り正反対です!」。その後に続くのは・・・いろいろあるけれど、大阪育ちと東京生まれ、ショートカットとロングヘア、おおざっぱ(?)と几帳面・・・まだまだまだまだ沢山あるけれど(あえて省略)、ここらへんで大抵どっと、もしくはくすっと笑いが起こります。何と言っても一番の違いは専攻が作曲とピアノという事。

誤解を生じないように一応書き添えますと、原田さんはたまたま学校での専攻が作曲というだけで、ピアノを恐ろしく見事に弾きます。完全なソロ曲を弾いているのは実は聴いた事がないですが、時おり聴くチャンスのある伴奏や室内楽(恐らく私よりはるかにたくさん手がけています)、その場面での雰囲気の掴み方や音色の選び方やリズム感の素晴らしさにどっきりする事がよくありますし、いつ見ても本当に楽しそうに弾いています。

では専攻が作曲とピアノと違う事が一体どのように影響しているかといいますと、音楽へのアプローチの仕方。結論から言うと、目指しているものはやっぱり同じだったという事実に最後に気付かされるのですが、楽譜からこんなことが読みとれるとか、オーケストラならきっとこんな楽器とか、そう言う事から入るのが原田さん、この和音なら音のバランスや音色はこんな感じとか、ペダルの使い方や指使いを考えるとか、そう言うピアノ的なところから攻めてゆくのが私。2人とも楽譜に書かれている事、作曲家のメッセージが全てという思いが根っこにあるのですが、音楽を創り上げてゆくプロセスは専攻そのものに根ざしているものから来ている訳で・・・。

昔はその最初の段階でよく衝突しました。最近やっとそのアプローチの違いも飲み込め、どうにか譲り譲られしながら音楽をまとめてゆく事が出来るようになってきたとは思いますが、多分ピアノ科同士だったら難しかったかなと思います。たまたま学生さんのコンサートで私たちが当初よく衝突していた某曲が演奏され、それでふっとそんな事を思い出したのでした。

ピアノ・デュオと言えばやはり点と点との音楽。構造的には打楽器と一緒といえる楽器なので、全ての音の打点がはっきり見え(聴こえ)ます。その打点が2人で始終ずれるようではデュオとしては成り立たないと思っていたので、ピアノ・デュオは相手探しからしてまず難しいとずっと思っていました。でも不思議な事に、原田さんとは最初からその点はあまり気にした事がなかった。今ふと弾いているところを思い起こしてみて、そう言えばあまりずれないかも?と思った次第。考えるべきポイントは全然別のところにある気がします。

というところで続きは明日に・・・。



2011年11月24日(木)            「吹雪」

先ほど外に出てみたら澄んだ空にオリオン座が綺麗に見えました。そこらここらに咲いている黄色いつわぶきの花も、いつしかもう終わろうとしている・・・師走がひたひたと近づいて来ています。

先月に負けず劣らず未更新期間が24日となってしまいました。お待たせしてすみません。今から寝ても大して寝られないまま出勤時刻なのですが、さすがに今書かないとまたしばらく書けないので、ちょっとばかり書く事にします。

今月はコンサート情報には載せていない本番が2つありました。まずは芦屋と立山でお世話になりました皆様と聴いて下さった皆様へ、本当にありがとうございました。芦屋では子供さんたちにピアノという楽器について知ってもらう小さなコンサートに、立山ではあと1週間で山閉めとなる日本で一番標高の高いところにあるホテルでのコンサートに、出演させて頂きました。どちらも毎度おなじみ原田さんとの連弾です。楽しい本番でしたし、手作りコンサートとも言えるような温かな雰囲気の中で弾かせて頂けた事、本当にありがたい限りです。そんなコンサートだったからこそ、やはり連弾だからこそお伝え出来る事があったような気がします。

書きたい事はたくさんあるのですが、徹夜で今日1日頑張る訳にも行かないので一つだけ(今月中に何とか書きます)。今年はやはり例年より気温が高いのでしょう。立山では今頃はいつもスキーが楽しめる位雪が積もっているらしいのですが、それが今年は全然雪が降らなかったらしいのです。とはいえ山のお天気はわからないと用心してはいましたが、私たちが行く前日は大雨、それが当日は雪が降り始め、夜中からずっと吹雪いて翌朝には銀世界。本当はホテルの周りは絶景なのに、あの雄大な景色を一度も見ずに帰るなんて・・・残念。そこのホテルに入るには2つのルートがあるのですが、富山方面から入るルートは雪の影響で翌日バスは動かない可能性が高いと言われ・・・帰りは大町方面にいったん下りてから、富山においてある車を取りに戻らなければならないかも?気が気ではありませんでした。それも考慮して帰りの飛行機までかなりの余裕はみていましたが。朝はいつ出るかわからぬバスに乗るために、早々と荷物をまとめてスタンバイ。バスが出る事が決まってもちょっと心配で、山の下までおりてからやっとホッとしました。

しかし本当に何も見えなかった。絵葉書を見て、本当にこんな景色が見られるのかな、と。でもこれが自然というものなんだろうなと納得しています。だからきっとまた来ようと決めています。雷鳥にも会いたいし。

と書いていたら久々に深夜の地震、ギクッとしました。慌ててちょいとひと眠りします・・・。


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