ひとりごと(2010年8月分)

2010年8月31日(火)             「朝いち」

ついに今日で夏も終わり。ちょっとさみしい気がします。

大好きなミンミンゼミもそろそろ来年までお預け(学校ではまだ数匹元気に鳴いていましたが)。セミの中ではミンミンゼミの声、特に鳴き始めがなぜか好きなのです。ウォーミングアップを兼ねているのか何なのか、朝イチ、昼間でもしばらく休息した後はミィン×何回鳴くの?とえんえんと続けて鳴きます。以前それを何気なく数えていたら50〜60回ノンストップで鳴き続ける奇特なセミが居て、それ以来ついついミンミンゼミの鳴く回数を数えるようになってしまいました・・・別にどうってこともない話ですが。

毎年お手伝いしている高山の講習会での話。ホテルの近くに朝市が立ち、到着した日の翌朝に食料の調達に行くのが常になっています。毎年必ずりんごを買うのですが、それは私にとっての初もの。シナノレッドという早生で、青リンゴのようなさわやかな味がします。毎年買っているおばちゃんのところへ行ったら、今年は珍しくトウモロコシが置いてありました。なんと「生食でどうぞ」。生で!?と思ったのでそれを一つ買おうとしたら、「いつ食べる?」とおばちゃんに聞かれ、「朝食用に今帰ってすぐ」と言ったら皮をむいてあるのを渡してくれました。何でも皮をむいたままにしておくとまずくなってしまうとの事。という訳で、ホテルの部屋に戻って即かじりました。テントの陰で全然気付かなかったのですが、実は真っ白。後で調べたらピュアホワイトという品種らしく、サクサクという歯触りなのにとてもジューシーで、そしてとても甘い。あまりにも美味しくて翌朝も買いに走ったほどです。トウモロコシが生で食べられるなんて驚き・・・。

朝7時に出る生活が戻ってきました。学校の事でいっぱいいっぱいですが、気がつけば連弾の本番も来週・・・という訳でこちらの合わせも佳境です。連弾だけのコンサートは初めて。2台ピアノと似て非なるものという感じが強いです。極論を言ってしまえば2台ピアノは、それぞれが1台のピアノの可能性を極めてから一緒に合わせるのでも、音楽作りは可能です。連弾は1台のピアノを2人で使うという意味で制約がたくさんあるのに、室内楽的にどうするか?ぶつかりやすい手の扱い、相手の事までを考えたペダルの踏み方も含めて、音楽的に考えなくてはならない事がたくさんあり、1人でさらっているより一緒に考えていく時間が断然ほしい。それ位全く違います。2台ピアノでも連弾でもとりあえずは両パート弾いてみるし、合わせ中でも時々チェンジしてあぁでもないこうでもないとやっていますが、どちらかというとセコンド(下の音域)の方が好きかもしれません。バスから音楽を感じ、ハーモニーの色合いを決める役割があり、テンポやリズム、果てはペダルまでつかさどる、そんなパートです。プリモ(上の音域)でメロディーから引っ張っていくのも面白いですが。

・・・何とか月末に間に合いました。本当に今あっぷあっぷしかけている生活なので、いろいろお待たせしている方にはごめんなさい。とにかく時間が有り余るほど欲しいと思う夏の終わり・・・。



2010年8月30日(月)             「80000!」

昨日も実に暑い1日でした。暑さは真夏並みなのに、日が暮れるのが早くなり、コオロギが鳴き始め、早起きして学校に行く日々が始まるとなると、すっかり気分は秋になります。

いつしかアクセス・カウンターが80000を超えていました。全く手をつけられない時でも、更新はまだかまだかと覗きにいらして下さる方がたくさんいらっしゃるのですね。ありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。

月末の駆け込み更新も毎度の事となり・・・今日は何を書こう?という訳で絵の事を少し。

子供の頃から美術の才能は全くなく、もっぱら見る方専門です。高校の頃から某情報雑誌で情報をかき集め、よく1人でふらっと見に行っていました。最初は全く予備知識がないまま行っていましたが、いろいろ見ている内に何となく分かってくる事もあるもので、またそれが直接音楽につながる事もあれば、ただ作品に向かい合っていられるだけでも幸せ・・・そんなスタンスでの鑑賞です。仕事をするようになったらなかなか時間が取れなくなり、たまに時間がとれればえてして月曜日で(どうしてこんなに月曜休館の美術館が多いんだか)、最近は行けずじまい。しかし今年は当たり年。ある美術館のコレクション、あるいはある画家にスポットを当てた企画展が驚くほどたくさん開かれているので、無理して時間を作って足しげく美術館に通っています。わざわざ日本まで来てくれるなら見に行かなきゃ。

そんな中、ふと気付きました。どんな筆のタッチで描かれているか着目している自分がいる、と。ちょうどリサイタルの曲をさらっている時で、1つ1つの音をどう出そうか、どんな音色で弾こうか、まさにそんな事を考えていた時の事。いつもは全体から見るのに、今までにない見方をしていました。音楽だったら1つ1つの音を選び、音を創る事が、絵の場合はどんな風に筆を置くかという事。すさまじいまでひと筆ひと筆の威力を感じ、画家のこだわりが突然目に飛び込んできたようでした。ん十年見ていても新たな気分で作品に向かい合える、不思議なものです。

そして幾つかの絵との再会もありました。かつてヨーロッパで見た絵が日本に来てくれたり、大分前に別の企画展で見た絵が再来日していたり・・・。またお気に入りの美術館もいくつか出来ました。この秋もいろいろ特別展があるので、今から楽しみにしているのです。

それにしても(話は変わりますが)夏休みに開かれるコンクールっていつからこんなに増えたのでしょう?今日はコンクールで伴奏し、そして別のコンクールに出るピアノの学生さんを聴きに行く、という1日です。夏休みの間に頑張った成果が出せますように・・・。



2010年8月28日(土)             「深める」

またもやご無沙汰しております。

毎日毎日がこれでもかというほど暑いとさすがに・・・ちょっとうんざり。夏大好き人間としては願ってもいないシチュエーションですが、夕立さえ降らないこの状況はさすがに飽きてきています。でもすっかり夏免疫はついたようで、汗をかきかき炎天下をがつがつ歩いても平気になりました。

実は夏休みは既に終わり、今週半ばから学校の仕事も始まっています。まず高校から、そして来週から大学も。今年ほど短く感じた夏休みもありませんでした。ホッとする間もなく、ゆっくり体を休める間もなく、さまざまな事に取り組んでがむしゃらに毎日を過ごしていたのですが、そういう過ごし方もありかな、と。終わってみてそんな風に思います。という訳でいろいろな出来事があり、それと共に考えた事もたくさんあるのですが、何から書いたらよいかもわからず・・・。

まずは先日の荻野さんのリサイタル、お陰様で無事終わりました。満席のお客様に迎えられてのオール・ブラームス、得も言われぬ体験をさせて頂きました。酷暑の中、坂を上っていらして下さったお客様に心より御礼を申し上げます。ありがとうございました。

大倉山水曜コンサートに出させて頂いたのは前回の荻野さんのリサイタル以来で、今回は2回目。ここでは何か不思議な力が働くような気がしました。うまく説明出来ないのですが、伝統あるこの建物とこのシリーズ、長い時間を経て蓄積されたエネルギーが助けてくれたような、そんな感じ。また学生時代から音楽の上でも長いお付き合いのある荻野さんと、お互いいろいろな体験を経て何年かぶりにソナタを演奏出来たのは嬉しい事でした。1人の人と、そして1つの作品に長い期間(途中ブランクがあっても)向かいあって行くのは、今までは出来なかった事で、そうやって深めていく事の面白さや素晴らしさを初めて実感できたように思えます。飽きもせずに私とまた弾いてくれた荻野さんには本当に感謝です。今位の年齢からは、そういうお付き合いができる人や作品が増えていくのだろうなと思ったら、ますます楽しみになります。・・・とここまで書いたものの、本番の時の事はあまり覚えていないものでごめんなさい。その翌日、久しぶりのレッスンが学校であったのですが、ピアノの前に座って「あれ?舞台にいたのって昨日の事?」と改めて考え直した位、それはそれは現実味がなく・・・。

その後、いろいろお引き受けしている伴奏の中に、途轍もなく弾きにくい嫌な曲があるのを思い出しました。以前に一度弾いた事があるにも関わらず、その時も本当にお手上げ状態で・・・さらうつもりがうたた寝してしまい、がばっと起きてさらい始めたら朝になってしまったとか、そういう無茶を未だにやっています。それなりに少し成長したからか、当時よりはマシに弾けるようになり、今日1回目の合わせも何とかクリア。という訳でちょっとばかりホッとしています。

が、眠い。本当に眠い・・・。



2010年8月15日(日)             「ヒマワリ」

残暑お見舞い申し上げます。

いかがお過ごしでしょうか。梅雨明け早々は酷暑だったのに最近少し落ち着いてきました(猛暑日にしばらく出会っていない)。しかし最近の曇りがちな天気のせいで、夏大好き気分がちょっとトーンダウンしています。カラッと晴れてくれれば気分は上々なのに。

8月に入ってやっと学校が休みになったものの、それから半月。ずっと更新できなくてごめんなさい。でもサボっていた訳ではないのです。休みに入るまで、とずっと封印していた雑用もろもろはともかく、この夏は伴奏等弾くお仕事が例年の何倍にもなり、譜読みや合わせに追われ、音楽祭等で留守にする事も多く・・・という状況。帰宅後は疲れきってうたた寝、日付が変わる頃にむくむくと起き出し、朝までにやるべき事が片付かなくてずっと起きているというハチャメチャな生活が相変わらず続いています。学校に行く時のような早起きはしなくてよいのでちょっとは寝られますが、いっその事生活を朝方に鞍替えしようかと思いつつ、いやいや絶対無理。

この数日間は、来週に迫った荻野さんのリサイタルの合わせが集中的に入っています。ブラームスの後期作品は6月のリサイタルでも弾きましたが、やはりとても自分に近い気がします(作曲者にはとてもおこがましい言い方ですが)。ヴィオラ・ソナタは2曲ともいろいろな方々とそれこそ何十回と演奏の機会を頂いていますが、実は荻野さんとも2度目。1番の方は8年前のリサイタル、2番は学生時代のとあるコンサートで。弾き方やもちろん、音楽への向かい方や合わせへの取り組み方、何もかもが変わったようで、でも肝心なところは変わっていない。不思議な気がしました。当日に何が生まれるか、その当日の為に準備するという感じでしょうか。トリオは全く初めてですが、すっと体に入っていく湧水のようでした。この音楽をあまりにも自然に受けとめている事にびっくりしています。特にブラームスの後期作品が好きだからというのもあると思いますが、音の並び方に慣れて理解し、どんな気持ちをこめてどのように表現したいかが浮かび、どういうテクニックを使えばよいかが分かる。ニワトリと卵ではないけど何が最初か分からない、だけど全てが関連して浮かび上がってくるような気がします。ただヴィオラ・ソナタと違うのは、今回全く初めてだから本番で確実に出来るかどうかはまだ怪しい(もちろんヴィオラ・ソナタも難しいからまだまだ)。そのために楽譜を読み、ピアノに向かう。これにはかなり長い時間が必要なのです(だから焦る)。

夏の花々で好きなもの。はかなげな朝顔、元気の出るヒマワリ、夕方に香るおしろい花、色とりどりの百日草、種がはじけるホウセンカ。少しレトロな感じもするこれらの花々、なんで好きかな?と考えていたら亡くなった祖母の影響だと気付きました。子供の頃の夏休みの思い出であり、そして夏の印象につながっています。私の植物好きは正に祖母から受け継いだもの。祖母が植えて育てていた花、見よう見まねで小学生になった頃から自分でも育てるようになりました。祖母のヒマワリは私の背丈を超えるほどで、毎年大きな大きな花を咲かせました。朝顔も祖母が育てると大輪の美しい花をつけるのに、未だとても敵わないのです。ホウセンカは最近全然見かけなくなってしまったけどどうしたんだか・・・また見たいなと懐かしくなりました。

今日はお墓参りに行ってきます。こういう事を思い出したのはそのせい?そのお話をしてこよう。

そして終戦から65年・・・。


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