ひとりごと(2010年7月分)

2010年7月31日(土)             「花火大会」

もう7月も終わるというのに〜今年は蝉の鳴き始めが遅い気がします。学校で今日初めてミンミンゼミを聞きました。なのに家の近辺では少し前からコオロギが鳴き始めています。順不同?

学校の夏期講習会が今日で終わり、やっと気分は夏休み・・・のはずですが、今年はちっともそう思えないのです。なぜだか。思いのほか大小取り混ぜて本番が多く、それに備えていろいろ準備しなければならない事があり、またこの夏は家にゆっくり居座れないのです。慣れていないので落ち着かなくて。

さて、夏と言えば花火大会。チャキの江戸っ子(チャキチャキの江戸っ子を名乗れる三代目までもう少し)として血が騒ぎます。毎夏当たり前に見るという感じで、ご多分にもれず今晩もふぅらりふぅらりと見てまいりました。あのおなかに響く音、一瞬で消えてしまう鮮やかな火花、煙のにおい・・・やっぱりライブで見なきゃ。

ライブで花火を見る別の理由。空模様、街模様、人間模様が見られるから。始まった時刻には西の空はまだ明るい。夕焼けの赤みが残っている時もあります。だんだん暗くなって夜空に花火の色も冴えわたり、空に花火の色が映り、また一番星が瞬き、雲が流れ、煙で花火がかすみ・・・。街もなぜかいつもと違う浮かれた空気に満ちている気がします。もともと普通の街並みの散歩など好き(だけど全然行けない)で、こちゃこちゃっと家が並ぶ中に走る小路を高い場所からのぞけるのもいいもの。街もいつもと違って見えます。そして皆が花火に魅入られて気もそぞろ。二人で、家族で、仲間同士で、子供達、学生ばかり、大人のグループ・・・人々は連れだって歩き、花火を眺めます。

もう8月・・・。



2010年7月30日(金)             「自信」

連日の猛暑にもすっかり体が慣れ・・・どういう訳だか慣れてしまいました。むゎ〜っとするあの熱気に嬉しくなると言ったら危ない?でも35度にもなれば、その暑さで湿気さえもが乾く気がするのです。だから日陰に入れば風さわやか。むしろ32度位の方が中途半端に湿気が残っていて、暑さが倍増して感じてしまうのでしょうか?という訳で昨日の久々の涼しさと雨、逆に体が疲れてしまいました。

月末も近いし早く次を書かなきゃと思いつつ、また1週間が経ちました。相変わらず攻めの姿勢で(?)日々を過ごしています。守りの姿勢に入っていたような時期もそりゃ過去にはありました。いろいろな時があり、いろいろな事が起きるものだと思っているので、近い内にこれが落ち着けばいいなと思いつつ、この夏は気がつけばまたお休みできない状況になってしまっています。暑い暑〜い夏の理想の過ごし方。睡眠はたっぷり、一番暑い昼間にもお昼寝、しっかり汗をかいて好きな事をする。・・・なんて今はもう無理か・・・。

この1週間は試験をいろいろ聴き、授業の成績もつけ、コンクールを聴きに行き、はたまた別のコンクールでは伴奏をし、いろいろな合わせもあり、また学校の夏期講習会でレッスンをし、という日々でした。とにかく毎日がもりだくさんで時間が経つのが速いっ。

日々学生さんに関わっていると、自分の学生時代を否応なく振り返らされる事になります。未消化のまま封印されていた思い、そんな記憶がある時突然よみがえって驚いたり・・・。日々の出来事全てが音楽に直結していたあの頃、逃げたくても忘れたくてもできない事はいろいろあり、それが正に自分の音楽そのものになっていたのかと、今になって初めて気付く事がたくさんたくさんあります。そして先生はどう思われ、考えていらしたのだろう?という事も分かります。でも今、ちゃんと消化出来れば安心して忘れる(記憶庫にしまう)事ができる・・・。

この学生さんに自信が持てたなら・・・。日々レッスンしていて、また伴奏していて良く思う事です。日頃の練習では自分に厳しく音楽に謙虚に向き合ってほしいけれど、本番になったら自信を持って演奏してほしい。自信の持てない自分に嘘をついてでも。同じ演奏をしたとしても自信の有る無しで印象は大きく変わるので。「じゃぁどうしたらいいですか?」と言われてしまうと答えに詰まってしまいます。私自身がそうだったので気持ちはよくわかりますが。

もちろん私なりの答えは今はあります(未だ自信持てないからこそどう切り抜ければいいか、対処法を見つけたと言うべきか)。でもその答えを人から聞いて自分に生かそうとする事自体が変。その答えを探して悩んで遠回りをして・・・という過程が大切で、それも含めて全てが音楽に出ると思うからこそ、いつも適当にはぐらかして逃げています。いつか自分で見つけられますように、と思いながら。

・・・なんて人の心配ばかりしている場合ではないのです。私こそきちんと準備していかないと・・・。



2010年7月24日(土)             「トーク」

すっかりご無沙汰しております。何度も覗いて下さった方々へ、ごめんなさい。ここまで空いたのも久しぶり。文章の書き方も更新の仕方も忘れてしまっています・・・。

やっと授業期間が終わり、6時起きはしばらくしなくていいかなと思うだけでちょっと楽。そしてこの数日間は実技試験。座って聴いていて、この頃はお尻が痛くなるようになってしまいました。その後夏期講習があり、やっと夏休み。でも8月末から高校は始まるので、思いのほか休みは短いのです。

今月に入ってからがどういう生活だったのか、毎日毎日を過ごすのに精一杯であまり思い出せません。正確には、もちろん覚えてはいるけど実感がない。1日がめちゃくちゃ長くて盛りだくさんのようで、でもあっという間に夜が来るように短い。夜遅くに帰り、翌朝早く出るまでにそんなに時間がないので、帰宅するととにかく疲れてうたた寝してしまいます。起きてから翌日までにしなくてはならない事をやっているといつしか朝になり、そのまま出かけた事が何日もありました。冷静に考える余裕がないからかこの状況をキツイとも何故か思わず、こんなに元気なのは大好きな夏が早々とやってきてくれたから?とか考えている内はまだ大丈夫。でも本当は心ゆくまで寝倒したいし、何も気にせずにピアノに向かいたい。

このひとりごと、じっくりと書く事ができないのが自分らしくなくて嫌なのですが〜学校に住んでいるような今日この頃。猛暑日になってからの学校でのひとコマを。

とある日。朝からレッスンをしているとレッスン室の隅にアシナガバチを発見。部屋は閉め切っているし、朝に一瞬空気を入れ替えただけなのに一体どこから来たのか、多分前日から入っていたのでしょう。そう言えば部屋のどこからかさっき、ぶぶんぶぶんと音が聞こえたっけ。刺されたくないなと思ってもピアノの音で羽音が聞こえないので、ついついハチのいた方向をちらちらと見てしまいます。こんな集中できない状態が続いたら困る・・・と思っていたら、ハチが窓際に。慌てて窓を開け、ブラインドを閉めてハチを外へ追い出そうという作戦に出ましたが、ハチはいつになっても窓の内側でぶぶんぶぶんとうなっています。暑くて出ていきたくないのかしばらく羽音が聞こえましたが、レッスンを続ける事10分、追い出し作戦は成功しました。

その日の日暮れ時。レッスンが終わってホッとしつつ、窓から外を見ていました。青空が濃くなり、雲が金色に光ってきたので、これはもしかして?と思って空が広く広く見える5階へ直行。すると程なくして空がだんだん赤く色づいてきました。あまりにも綺麗なのでやっぱり外で見よう下に降りると、電線に並んで止まっているスズメのようにベンチにはたくさんの学生さん。ケータイを一斉に空に向けて撮影中。あぁ考える事は皆同じだなと何だか嬉しくなりました。むゎ〜っとする風が吹く中、暗くなるまでしばし夕焼けを眺めました。

クラスの学生さんの試演会では、前回から全員にトークを義務付け(?)ました。曲目解説、曲に対する想いはもちろんの事、日常生活のひとコマでも、とにかくどこかで「今からする演奏」につなげられれば何でも良い、とお触れを出してあります。そもそもは自作の演奏をする音響デザインの学生さん達に一言話してもらっていたのですが、ある学生さんから「皆の話も聞きたい」と言われたのが始まりでした。私自身学校を出て数年して、あるコンサートで突然トークをしなければならなくなって戸惑った経験があります。学生の内から機会があったらばと自分自身思ったのもあり、また音楽だけでなく話す事でも表現できるはずという思いもあり・・・その人らしさが垣間見えれば完璧である必要はないから。実際本番では照れがあるみたいですが、口火を切ればある人はよどみなく、ある人は一言一言かみしめるように、ある人は熱っぽい口調で、皆さまざま。話題も、終わったばかりの教育実習、論文で取り上げる曲の研究テーマ、演奏する際のスタンス、その他もろもろ。表現ってそもそもはこんな風に溢れて出てくるもの・・・。

コンサート情報にまた1件アップしました。この夏は徹底的に音楽漬けの予感。

今日も猛暑日?試験の学生さんにがんばれーとエールを送ります・・・。



2010年7月6日(火)              「練習曲」

あっという間に今年も後半に突入。ついに通勤定期を買いました。数えてみたらなんだかんだと学校へ行くのが判明、これが7月というもの。それにしても今年の梅雨は暑い。そして曇っていても雨は降らない。外を出歩かなければいけない時刻はラッキーな事に雨上がり、という事も良くありました。さて、今日のお天気は・・・?

書きたい事はたくさんあるのですが、ごめんなさい。今月は「佳境」なので1つずつ。レッスンをしている時に最近話した事を。

つまらないと思われがちな練習曲も音楽的に弾く事が出来る。まともに考えてみれば当たり前過ぎるほど当たり前の話なのですが、正に価値観をひっくり返すような出来事に遭遇した事をふと思い出しました。学校を出たての頃、留学している友人たちを訪ねてヨーロッパへ行った事がありました。その時パリで見たバレエ、友人がチケットを取ってくれたのですが、演目がよくわからない。フランス語がよくわからない私にも、それは作品名ではない事はわかりました。「今日は一体何をやるんだろ?」とわくわくしていたのですが、始まった途端「?」。短い曲の連作でしたが、絶対にどこかで聴いた事がある、それどころかとてもよく知っている曲のような気がして・・・。

ずっとず〜〜っと考えていて「!」。なんとなんとそれはツェルニー50番、ピアノの練習曲の「ツェルニー50番」から何曲か、オーケストラ用にアレンジされていたのでした(帰国して即刻楽譜を確認)。洗練された軽やかな踊りに目を奪われつつ、耳はずっと音を追っていたのですが、ツェルニーってこんなに美しかったっけ?と衝撃を受けていました(ツェルニーさんごめんなさい)。今でこそツェルニーと言えば練習曲が有名ですが、当然他にもいろいろな作品を遺していた訳で・・・練習曲はつまらないという思い込みは失礼だと、それから認識を改めました。そう思って楽譜を見ればいろいろ表現の可能性も見えてくる。表現力豊かに弾けるかどうかが「テクニック」。どれだけたくさんの表現の引き出しを持っているか、それこそが大切なのだ、と。

ちょっとばかり集中して書く事を考えていたら、またもやすごい時間になりました。今日の初見の授業は何しよう?毎週重点的にやりたいポイントを定めて曲選びをしていますが、楽しい曲を探したらささっとひと眠り・・・。


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