ひとりごと(2009年1月分)

2009年1月31日(土)           「受験」

年が明けて1ヵ月が経とうとしています。相変わらず来週もきつそうなスケジュール・・・。という訳でそういう事を書き続けても面白くないので、全然関係ない話を。

明日は「2月1日」、この日程には未だ「ぴきん」と反応します。今はどうだか詳しくは知りませんが、多くの私立中学校が入試を行っていた日です。ん十年前、私も受験生としてこの日を迎えました。

4歳でピアノを始めてから今まで、たった1回だけピアノを休んでいた期間があります。それが中学受験前の3ヵ月間。いろいろな事情があって受験勉強に専念できたのは入試のぎりぎり直前だったので、その3カ月はピアノをスパッと休んで勉強だけの日々を送りました。記憶はあまり定かではありませんが、覚えているのはその間ピアノの蓋を1度も開けなかったという事。ピアノを弾きたいとか、あるいは音楽がないと生きていられないとか、そういう事さえ考えなかった位切羽詰まっていたし、頭の中には「志望校合格」しかなかった気がします・・・。

今はピアノそのものに触れる事ができなくても音楽から隔離された日は絶対にありえず、今となってはそんな事ができたのが信じられない。練習嫌い(今は断じて「違う!」)だった昔でもピアノを止めようとまで思った事はなく、この期間以外に音楽から離れた時もなく、私の中では今もって「不思議な時間」なのです。

明日は世の中のたくさんの小学6年生が受験に挑むのですね。体調に気をつけて全力を尽くしてほしいと、心より願っています。

こんなに毎日ピアノを長時間弾いているのに、そう言えば今年に入ってまだ自分のためにピアノを弾いていない・・・それでいいの?という声がどこかから聞こえます。1月中頃、何とかスケジュールをこじ開けて恒例のリサイタルの打ち合わせでマネジメントに行きましたが、実は今回プログラム全曲を弾いてみる事ができず、結局気持ちだけでプログラムを決めました(逆に言えばそれ位気持ちが固まっていたという事だけど)。

自分のために弾いていない事が、今何か自分で自分を騙しているような気になるのかもしれません。ピアノとの関わりがこんな風になったのは一体いつから?少なくとも中学受験の時にはそうではなかったはず。という訳で、今弾かなくていつ弾く?他の事を後回しにしても今弾くべき、と・・・。

新年早々に咲き始めた家の小さな盆栽の梅が、もう満開になりました。それで思い出し、あ、もしや・・・と行ってみたのは、学内の大きな白梅の樹。見上げるばかりの大きな大きな樹なのです。例年この時期、ここの白梅が咲き始めると「もう春だ」と思って嬉しくなるのですが、本当に今年は余裕がなくてその樹の下を通る事もなく・・・辺りに甘酸っぱい香りを漂わせながら、もう散り始めていました(気がついてあげられなくてごめんなさい)。

季節がこうやって一つまた一つと過ぎてゆきます。そう言えばこの冬、まだ雪が積もっていない・・・。



2009年1月29日(木)           「心と頭と体」

あっという間に1週間が過ぎました・・・。

変わり映えしないというべきか、日増しにきつくなっていくというべきか、今はそんな毎日を過ごしています。寝る時間が全然なく、休み時間もさらう時間もとれず、大小さまざまの本番が毎日いくつもあり、冷静に考えると恐ろしい日々を送っているのですが、先週までは信じられないほど元気に過ごしていました。そんな生活も3週間を超すと、さすがに今週は「無理をしている感」があります。

そんな今、思う事を少しだけ。

心と頭と体の関係。心が思っている事を頭がキャッチし、その情報をもとに体に指令を出す。そんな一連の流れが行われている時が、一番健全なはず。もともと小さな事にいちいち反応し、それが全てに影響を及ぼすようなちっぽけな心の持ち主としては、時に心と頭と体を切り離す事で気持ちをスパッと切り替えているのだろうかとつくづく思うのです。ピアノに向かう時は一致させようと努めるのですが、日常生活では時々バラバラ、それはSOSのサインか、それとも?

もしそんな一致しない状態でピアノを弾く事になったら、何を優先すべき?という話をしていました。私なら頭が最優先。感情も、指も体も、コントロールセンターにお任せ。なのでコントロールセンターの指令にミスが増えてきたと思ったら、休まなあかんと反省するのです。

今日も濃い1日となりそうです。午前は高校生の歌曲伴奏の最後の授業、再来週の試験に備えてしたい事があり、最後の授業だからこそ話したい事もあり、相手を高校生とも思わずいつも全力投球でお付き合い下さる声楽の先生と授業を楽しみたいのもあり・・・。午後は、今日から始まる学部の実技試験の伴奏。授業が終わるや否や、時計とにらめっこで合わせをし、試験場に行き・・・どんな演奏をしてくれるのか、楽しみでもあり気がかりでもあります。夕方からは外でクラスの試演会、今度は気が付いた事をメモりながら聴く側に回ります。た〜くさんの演奏に向かい合い、その演奏の数以上に感じた事で心の中が言葉で満ち満ちる・・・どう伝えようか、そんな事を考えつつ電車でうつらうつらしながら帰ってくる、そんな1日となりそうな予感・・・。



2009年1月22日(木)           「繰り返し」

ご無沙汰しております。いつしか大寒も過ぎて、(暦の上での)春が近づき・・・未更新期間最長記録の20日間を1日延ばしてしまいました。何度もいらして下さった方には、本当にお待たせしました。

今月3日の仕事始めからひたすら「走り続けて」います。5日に学校が始まり、いつものレッスンと授業に加えて、試験のための合わせ、レッスンも伴奏でついてゆき、各クラスのおさらい会やゼミの演奏会で伴奏し、そして実技試験も始まり・・・そんな中、学校の仕事とは無関係にいろいろな事が起きるものです。

来週のために、クラスの学生さんと伴奏をお引受けしている学生さん全員にメールを回し、お返事が揃ったらスケジュールを組もうとしているところ。来週は実技試験、おさらい会、レッスンなどが入り組んでいて、どうやって予定を組んだらよいのか思考回路がぱたっと止まっています。分単位で確定できないものばかり、かといって余裕をみて空けておく訳にもいかず、合わせを15分でいったん終わらせて後でその続きをする訳にもいかず、まさか試験に遅刻する訳にも直前合わせを削る訳にもいかず・・・こういう時は余計な神経を遣わせてしまって申し訳ないと思いつつ、次の合わせの学生さんにスタンバイしてもらって、終わるや否やケータイでお呼びたてさせて頂くのです。

その逆もあります。本番が始まるまでの時間も無駄にできなくて、出番の2人前になったら呼んでもらうようお願いし、合わせをしているとか。お知らせが来たらたった今弾いていた曲から頭を切り替え、次の場所まですたすた歩きながら、これから弾く曲のテンポを思い描いています。

ここの学生さんがつくづくうらやましいと思うのは、おさらい会然り、ゼミでの演奏機会然り、試験前に肝試しをする場が(人によっては複数回も)用意されている事。同じ曲で何度も本番があるという事は、1回終えるごとに今の演奏の反省をし、よりよい演奏を目指すという意味で理想的。でも誤解を恐れず言えば、必ずしもいい演奏を目指す必要もないと思うのです。コンディションが悪い時もあって当然で、そんな中でも一定レベルをクリアできるように経験を積む意味もあり、いいか悪いかはともかく、1回ごとの演奏が決して前回の繰り返しにならないよう表現をその都度変えてもよいし。

「演奏後にもう1回弾きたいと自ら思えるような演奏をしなければ、お客さまももう1度聴きたいとは思って下さらない」。これは、(ありがたくも)同じ曲で何度も舞台を踏ませて頂ける事になった室内楽の学生さんに話した事です。「失敗してしまったからもう1度」という悪い意味ではなく、「ぜひもう1回(違う表現で)楽しみたい」といういい意味での事。

今の季節、メールを書く回数も分量も半端ではありません。本番を終えた後の過ごし方がその後を決めると思っているので、本当は一人一人と、その本番にどう感じたか何を考えたかとことん話をしたい。ピアノの学生さんも室内楽の学生さんも、伴奏でかかわった学生さんも皆。でもその時間が残念ながらとれないので、長〜いメールが行き交う羽目になります。そこで思いもかけない本音が聞けたり、私も突っ込んだところまで言わせてもらったり・・・年度末の最後にそうやって初めて、意外な一面をみつけられた人もちらほら。やっぱり恐れずに言わせてもらわないと、言ってもらわないと分からない、と改めて思います・・・。

今シーズン、20名弱の伴奏をお引き受けしましたが、誰一人と曲が重ならないすごい状況になっています。学部生の卒業試験は曲が皆長く、院生の修了演奏は更にその倍の長さ・・・5分の隙間時間をみつけてはさらうという日々。昔伴奏助手をしていた時代、演奏に責任を持てる限度を考えてお引受けしたのが20名だった事を覚えています。あの時は伴奏だけでひぃひぃ言っていたのに、今みたいにプラスアルファでできるって一体・・・?慣れたとは思いたくない、でも要領がよくなったかもしれず、また気持ちが負けなくなったのかもしれません。大変な現代曲もやっと弾けるようになってきました・・・。

という中、3月にフランスものばかりのデュオをやらせて頂ける事となり、コンサート情報のページに載せました。以前にも共演させて頂いた富田さんのチェロです。もうそろそろ動き出さなければいけないですが全く譜読みに手をつけられず、ぼちぼち気合いを入れてとりかかるつもり。フォーレのチェロ・ソナタ2番は一昨年に演奏した折、その深みに魅せられてしまい、いつかまた演奏できればと思っていた大好きな曲です。こんな早い時期にまた演奏できるなんて、嬉しくて嬉しくて。

指割れがひどくなってきた今日この頃。角質が相当厚いのか、幸い割れ目ができた位では血は出ませんが、弾いたらはがれ、塗り直してもまたはがれ・・・1日3回くらい水絆創膏を塗り直しています。爪と肉両方にまたがって塗っているので、すぐはがれるのですが。

毎朝同じような時間に家を出て、毎晩同じような時間に帰る。その間にしている事はもちろん違うけれど、毎日同じ事を繰り返しているような錯覚に襲われます。我に帰ったら「大丈夫?」と自問自答したくなるような生活をしているはずなのに、大変とも思わず、意外に元気で動けている。きっと好きな事をやっていられるからだと思うのです。どんなにするべき事がたまっていても、夜中にお湯を沸かして熱い紅茶を入れ、「やっぱりお茶は入れたての熱々が一番」と思いながら新聞を読むのが、息抜きの時間です・・・。

こんな状況なので、まとまった事がちっとも書けなくてごめんなさい。

新年早々、学校の正門の竹藪の根元に日本水仙がたくさん咲き始めました。秋に何か植えているなぁと思って気になっていたのですが、これだったらしい。春の香り・・・。



2009年1月1日(木)            「2009新年のご挨拶」


新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。時間に追われるようになって、以前のように長〜く(中身は?)書けなくなってきたにも関わらず、ちょくちょく見にきて下さる方がいらっしゃる事、本当に嬉しく感謝しております。今年も細々と、しかし健気に着々と?更新していく予定ですので、どうぞよろしくお願い致します。

最近はすっきりと晴れる日が多くて嬉しいです。日本海側ではその分吹雪いているんだろうかと思いつつ、でも太平洋側ではこのお天気をありがたく謳歌しています。といってもこのわずかなお休みはひたすらお年賀状を書き(今まで全く手をつけられず・・・)、来たるべき練習時間ゼロ?の日々(授業とレッスンと合わせでびっしり)に備えて練習するのみ。

1人1人思い浮かべながらお年賀状を書いていました。どんな事にも動じずゆったりどぉんと構えている、そんな友人がいます。親身になっていつも温かい言葉をかけてくれる、そんな友人がいます。同じく音楽に携わる身、時には教え、時には演奏し、同じ立場でとことん話し合える、そんな友人がいます。普段はなかなか会えないけれど、どうしているかなぁと思い出します・・・。

書きものする時の悩み、それは腕の痛み。正確にはまず肩甲骨の裏あたり、そして前腕。なぜ?明らかに姿勢が悪いか無駄な力が入っている、さもなければ椅子と机の高さが悪いせいだと思うのです。そう、一昨日位までは右足太ももがもうどうにもならない位になっていました。これは1日中ピアノを弾いていて、その際踏んでいるペダルのせい。多分家で弾く分には大丈夫かと思うのですが、殆ど学校なのでヒールのある靴でペダルを踏んでいる、おまけに学校のピアノは深めのインシュレーター(ピアノの脚が動かないようにするもの)を使っているのでペダルの位置がかなり高目。ペダルを踏む時も踏まない時も力が要るので(力を抜いて重みがかかってしまうとわずかにペダルが効いてしまう)止むを得ないのですが、足を痛くしないような上手なペダルの踏み方はないだろうかとさすがに考え始めました。これをひどくしてしまうと、恐らく腰痛になるはずなので。

ピアノを弾く時に手や腕を痛くする事はこの年になってさすがになくなりましたが、それは動かし方や脱力の仕方、筋肉の使い方の効率を考えた結果の事。だとしたら字を書く事についても考えないとまずいと、真剣に思う今日この頃です。字が美しい人ってきっとそのあたりのコントロールが上手なのでしょう。

さて、今年の抱負。前回書いてしまったような感じなので特に書く事はないのですが・・・ちょっとつけたし。やはり考え出したらキリがなく、行動を先に起こす方が自分らしいのかも。今まで、どんな時でも常に「走っていた」気がします。走れる内は走らせて頂こうと思います。ただ、つまらない大人にだけはならないようにしたい。

恒例のリサイタル、初心に帰りたくて弾こうと思っているものがあります。早々に準備しようと思って、昨年リサイタル後に(ひそかに)決めていたのですが、結局秋からいろいろ忙しくなって全く何もできず仕舞い。決心がついたら発表しますので、もう少しお待ちを(その前に1度通して弾いてみなきゃ)。

先日大風が吹いた時、冬バラの蕾が折れてしまいました。この小さい蕾、何とか咲かせたくてコップに挿しておいたら、もうすぐ花開きそう。何と強い生命力。見習いたい・・・。


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