ひとりごと(2008年1月分)

2008年1月31日(木)         「視力」

相変わらず毎日が佳境・・・マスターズ・コンサートもまだ先の事と思っていたら、あと1週間しかない事に気付き、にわかに現実味を帯びてきました。毎日朝早く出て夜遅く帰るので、合わせはともかくと、練習したり録音を聴いたりアイデアを考える時間が全然取れなくて・・・今度の週末に賭けるだけ。

という話を書いても面白くないので、全然関係ない話を一つ。

最近細かい楽譜を見ると、音符が五線の上のどこにあるのかはっきり見えない事が多くなりました。線を一本分間違えて読んでしまったり、音符がダブって見えたり・・・。昨年秋のコンサートのフォーレ、音符の玉の数はべらぼうに多いので五線自体も細く、また楽譜の版が通常のものより大きいビッグ・サイズで、まるでフル・スコアのように見にくいものでした。見えなくなり始めたのはちょうどその頃から。その時も睡眠不足が続いてコンタクト・レンズが目に張り付き、見えにくい時が多く、そのせいだと思ってさして気にもしませんでした。でも今年に入ってもそれは変わらず、そこで初めて「視力が落ちた?」と気付いたのです。

小学生の頃から視力は悪く、コンタクト・レンズ歴は相当なもの(眼鏡より長い)。でもそのお陰でこんなに(!)視力が悪いのをハンディとも思わずに、ピアノを弾いて来られました。将来目が悪くなったら?と考える事さえなかった。だからもしかして・・・?と思ったら怖くなり、慌てて検査に行ったのでした。近視が進んだか、乱視がひどくなったか、それとも・・・?

実は、コンタクト・レンズのスペアの度数交換の期限が迫っていたのでした。検査はあぁでもなくこぅでもなくという感じでひどく時間がかかり、その結果、視力はそんなに落ちていた訳ではなく、なんと目とレンズのカーブが合わなくなってきたらしい・・・心配していたので拍子抜けしました。新しいレンズに替えたら、一気に視界がクリアになりました。音符の玉が丸くくっきりと見える、こんな何気ない事がどんなに大事だったかと気づかされる思いです。だって今思えば、細かい音符の曲を弾くのが最近は憂鬱だったから。ピアノの基本は暗譜だけど、私の場合伴奏や室内楽が多く朝から晩まで目を酷使しているものだから、やっぱり見心地は大事。

早いものでもう2月。しかし眠い〜zzz・・・。



2008年1月28日(月)         「打楽器」

あれからの1週間はあっという間でした。それにしても最近は本当に寒い。昨日のように昼間でも氷が張ったままなんてあまり記憶がなく、昔はピアノを弾くのに、冬はいつでも手がかじかんでいたものです。子供の時のレッスンでは毎回、始めのエチュードは指がよれよれで音が出なかったし、入試の時もだるまストーブの上に手をかざしながら(今思えば本当に原始的・・・洗足のように館内暖房なんてないし)、1曲目からちゃんと弾けるかな?なんて思った事を思い出します。あれから「ん十年」、不思議と最近は手がかじかむことはなくなりました。朝、寒い中を歩いてきても一応は弾ける。地球温暖化のせいだか、子供の頃より筋肉が発達?したからか、ビタミンEなどで武装する事を覚えたからか・・・?ま、何はともあれありがたい事と思っていましたが、昨日はあの感覚を久々に味わいました。

という訳でピアノを弾いていたのです。先週リサイタルの件で打ち合わせに行ってきてしまったのですが、やはりこれでいいのか不安になり、6月のリサイタルのプログラムを再度通して弾いてみました。無理があるなら変更もまだきくかな?と思ったのですが、その心配は無用。今となっては、我ながらなかなかいいプログラムと思えます(?)。とりあえず曲目だけコンサート情報に載せましたので、よろしかったらご覧下さい。選曲理由などについてはまた改めて。

最近は殆どなくなったのですが、昔は曲に対しての一耳惚れ(一弾き惚れ?)が時々ありました。どんな時にも頭の中で鳴るようになり、それに耐え切れずにひたすらさらうようになり、いつの間にか弾けるようになり、意図せずそれなりに仕上がっている・・・という状態。曲へのそういう取り組み方がいいか悪いかは別としても、そういう時は本当に幸せな時間が過ごせています。今回のプログラムの中にもそういう曲があります。久しぶりの経験。学生時代と違ってする事がいろいろあるので、のべつ幕無し頭の中で鳴る事はないのですが、電車に乗っている時とか、お風呂の中でぼぉっとしている時や、深夜の音のしない時間帯に雑用をこなしている時とか、そういう瞬間に耳の中に旋律が流れ始めます。細部はともかく何となく音も覚えている、どんな風に弾きたいのかイメージもほぼ出来上がっていて、曲に呼ばれているような気がする。でも今は練習する時間がないのが悲しい・・・。

マスターズ・コンサートの合わせも急ピッチで進んでいます。今回のコンサート、普通では実現不可能といえるような珍しい組み合わせ。打楽器、トロンボーン、電子オルガン、そしてピアノときけば、それはお分かり頂けるかと思いますが、共演して下さる先生方も皆さんご多忙なので、合わせのスケジュールは曲毎に日が違うという状況です。

その日私が演奏に参加するのは3曲。まずはヒナステラのアルゼンチン舞曲。これはもともとピアノ・ソロの曲ですが、打楽器パートを加えての特別ヴァージョン。原曲を弾いた事はなかったけれど、舞曲のリズムに打楽器がとてもしっくりときて、弾いていて楽しいのです。そしてヘンデルのトロンボーン協奏曲。トロンボーンは学生時代時折伴奏させて頂く機会があったので、馴染み深い楽器です。この曲は初めてかと思っていたら、どうやら学生時代弾いた事があるらしい・・・。ヘンデルのバロック時代のかっちりした感じもとても好きなのですが、現代物と相性はとてもよいようです。それにラッシュのリベリオン。これは初めて楽譜を見た時に正直どうしようと思ったのですが(内部奏法もあるし)、先日合わせてみたら強い爽快感を味わえる曲でした。トロンボーンにとっては難曲として名高いと伺いましたが、この珍しい編成でトロンボーンと打楽器の魅力が最大限生かされた曲だと思っています。しかしどうも舌っ足らずでうまく説明できないので、ぜひぜひそれを確かめに聴きにいらして下さい。

学生時代からいろいろな楽器の伴奏はしていましたが、そんな中で実は打楽器は未経験。知らない事や不思議に思える事が山のようにあって、合わせをしていても発見の連続。それにしても直感を何て刺激してくる楽器だろうと思わずにはいられません。日常生活でも結構物音に敏感なので、楽譜から目をそらせないまま必死で弾いている最中に、思いもかけない音がそばから聴こえてくると嬉しくなってしまうのです。この音を生み出す材質は?形状は?という感じで。すてきな響きがたくさん溢れています。

と調子に乗って書いていたら、信じられない時間になっています。今日は朝一から試験の審査・・・。



2008年1月21日(月)         「始動」

20日ぶりの更新です。今までの記録、18日を大きく上回ってしまいました。何度もいらして下さった皆様、大変お待たせしました。

3が日だけ休んで4日から始動、例年この時期はすさまじい事になるので覚悟はしていましたが、今年は半端ではありませんでした。まずはリサイタルのチラシ等に使う写真の撮影があったのですが、今年は大学がなんと7日から始まったのもあり(高校は9日から)、この半月は日祝以外、朝早く出て夜遅く帰る生活でした。授業、レッスン、そして補講もし、大学院の試験や室内楽演奏会のゲネプロには顔を出し、それらの本番も聴いて審査し、ウチのクラスの試演会は2晩に分けて企画し、試験の伴奏をお引き受けした学生さんの合わせをし、おさらい会を掛け持ちし、レッスンにもついて行き・・・暮れに合わせたきりご無沙汰のマスターズ・コンサートの合わせも、今週から詰まってきています。そんな時に限って考えなければならない事がど〜んとのしかかって来たり・・・書き出してみるとよくこんな状態で動けたものだと我ながらびっくりするのですが、スケジュールを決める時にぴりぴりするものの、動き出せば何とかなっているのが不思議。ただ頭と体と心がシンクロしていないのはさすがに問題だと、日々思います。

こういう時にこそ、自分自身を問われるような事に多々遭遇します。それは信じる事。相手を信じる、時間を信じる、そして自分を信じる。そしてそれは自分の判断力、精神力、体力を信じる事でもあり、そうやって毎日続く小さな小さな局面を切り開き、乗り越えているような気がします。もっと大変な状況でやっていらっしゃる方々を思えば、自分の中だけの小さな事だけど・・・。

これ以上延ばせないと思いつつ今必死で書きつけている状況なので、まともな事が書けなくてごめんなさい。1つだけ。ソロのCDは1月25日に発売になります。時間がなくてCD情報のページにもまだアップできませんが、よろしかったらリンクのページからナミレコードのサイトへお入り下さい。トップページの下方に載っています。録音したのが昨年3月、編集は秋から12月半ばまでかかったというのに、すっかり記憶の彼方へ・・・。先週末にそれに関しての連絡が来て、「あれ?もう?」と驚いた位です。冷静になって考えてみれば、なんと恐ろしいというか大胆な選曲をしたのだろうとつくづく思う今日この頃。でもそれ位の思い入れを持って弾きました。ぜひぜひ聴いて頂きたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。

6月のリサイタルの打ち合わせにも行かねばならず、3が日の間にいろいろ弾いて聴いて今回のプログラムを決めたのですが、あれから半月全く弾く事も聴く事もできず、本当にこれでよいのか正直疑問です。それ位今回は組み合わせに迷いました。

お正月を過ぎたらすぐ、盆栽の梅が咲きました。春を思わせる甘い香りがします。でもこれから雪がちょこっと積もるようです・・・。




2008年1月1日(火)          「2008新年のご挨拶」

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

年の変わり目、各地でお天気が大荒れのようですね。このお天気と裏腹に、今年は穏やかに過ぎて行く1年になればいいなと思います。昨年は、新聞を開いてもテレビをつけても、ニュースと言えば悲しいものと恐ろしいものと許せないものばかり。今年は、当たり前に普通に毎日暮らせる幸せが世界中の誰もの上に訪れる事を、心から祈ります。

さて、今年の抱負。自分の想いを、音楽であれ言葉であれきちんと伝えるという事です。昔はレッスンで「何をどういう風に伝えたいの?」と尋ねられる立場だった私が、今は逆に学生さんに「伝えられなければ意味がないよ」と偉そうに言わせてもらう立場となりました。しかしこんな事を言えるようになったのは、いろいろな出来事を経て私も変わったという事でしょうか。

昨日紅白歌合戦を見ていて感じたのは、歌と言葉の力強さ、そして歌手の方々の想い。1曲1曲は決して長くないのに、どうしてこうしてこんなに響いてくるんだろう?

自分がどんなにちっぽけな存在なのかは重々承知しています。でもそれは「これ以上はもうできない」と諦める訳では決してなく、その中にも私にしかできない事はきっとある。それを探して、日々の生活の中、自分なりの方法で表現してゆきたいと思うようになりました。どうもうまく説明できませんが。

そしてもう1つ。昨年に目標クリアできなかったので今年も同じく、「自分のためにピアノを弾く時間を出来るだけ長く」です。毎日とにかく音楽漬けなのにも関わらず、そしてピアノもそれ相応に弾いているはずなのに、「室内楽や伴奏の練習」でもなく「レッスンしているピアノ・ソロ曲の練習」でもない、「自分のソロの練習」は意外とできないものなのです。少しわがままになって自分の事も優先しよう〜たまにはいいでしょ。

学生さんから届いたお年賀状、今年はこんな風に過ごしたいという心意気が表れているものが多く、読んでいてすがすがしい気分になりました。また昔レッスンしていた生徒さん達からもたくさん頂きました。大学生の頃からレッスンは少しずつ始めていたので、当時の生徒さんは皆、もう立派に社会人として活躍しているのです。今思うのは、「昔は試行錯誤の連続でごめんなさい」。時間は山ほどあったのでいろいろ弾いて、考え、試してみてはいたものの、やはり経験がものをいう世界、今だったらもうちょっと充実したレッスンにできるはずだから・・・。

お休みも残り少し。その後は2月半ばに試験シーズンが終わるまでぶっちぎりの日々となります。お休みからすぱっと気持ちが切り替えられるか心配。今の内にしっかり休んでおこう、ではなくピアノを練習しておこう・・・。


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