ひとりごと(2004年11月分)

2004年11月29日(月)     「食生活」

前回の欄で「今週はいくらか時間的に余裕がある」と書きましたが、週末に近づくにつれハチャメチャに慌ただしくなり・・・土曜は特に忙しかったです。まず朝一で合わせ。室内楽の試演会(=試験)は午前のピアノ・デュオと午後の打楽器混合の両方を審査。それを聴いている最中に、大学院入試で伴奏した学生さんから合格通知の電話。試演会終了後に急いで旧奏楽堂に移動。途中上野駅でサインが必要な書類を持ってきた別の学生さんに会う。その後コンクールの受賞者コンサートの本番(ヴィオラの伴奏)。帰宅後に、試演会に出た学生さんや、その日のコンクールの予選(聴けなかった)で演奏した又別の学生さんから電話、その日の演奏について。・・・という具合でした。どういう訳か重なる時は重なるものです。

ここに書きたい話も練習しなくてはならない曲も日常生活の雑事も山ほどあるのに、どれも中途半端なので1日24時間以上欲しい。無理しているせいか体の調子が最近何となく変です。大きく崩れている訳ではないけどなかなかスパッと良くもならない。食生活に思い当たる節があったので、最近特に気をつけています。普段外食はあまりしない方だけど今は止むを得ないので、家にいる時位せめて体にいい物を食べるようにしよう。

昨日はいろいろなものを作りました。お昼はにんにく炒飯(年に数回しか作れない特別メニュー!)。一昨日全然お米を食べていないなと思い当たったので。なぜ年に数回かと言うと、自家製ガーリックオイル(にんにくをオリーブ油に漬け込むだけ)の中のにんにくがカラメル色になってまろやかな味になるのに数ヶ月かかるから。これを引き上げて刻み、あとは適当にあるものを刻んで一緒に炒める。ご飯は余りを冷凍しておいた物を使うと、程よくパラパラしていて食感がいいです。ちなみに昨日混ぜ込んだものは、少し酸化しかけたキムチや残り物のしそワカメちりめんのふりかけ、しらす、ネギの青い部分、辛味大根の尻尾など。味が喧嘩するかなと思ったけど結構調和していい味出していました。

胃腸が疲れていると本気で思った時に作るのは野菜スープ。これもいつもながら「あるものを適当に」。適当というのは私のお得意です(といってもお菓子作りはさすがにレシピの数値が物をいうので、あれはちゃんと計ります)。それは前々回にも書いたように食材がまとめてお任せで来たりするので、賞味期限や栄養のバランス等考えながら、手元にあるものを組み合わせて作るしかないのです。昨日は割にひらめいたのでそういう時はいい気分。スープのベースにはオリーブオイルで炒めたにんにくと玉ねぎ(多目)。ベーコンを入れるかどうか迷ったけれどあえて使わず、ちょっと残っていたセロリやローズマリーを香り付けに入れました。あとは大根の根っこや葉、ジャガイモ、そしてトマトの果肉入りケチャップで味付け。どういう訳だか何の野菜で作っても、いつもこれで胃腸は元気になります。

そしてずっとやらなきゃと思っていた大仕事、ジェノベーゼ・ソース作り。毎年植えているバジリコの葉が黄ばんで枯れてしまう直前に、何とかやり終えました。生の葉っぱは保存する手立てがないので、こればかりは最優先。ザル一杯のバジリコの葉に松の実とパルメザンチーズとオリーブ油を・・・カップ1弱?(適当です)、にんにく2かけにあら塩少々、これをハンドミキサーで混ぜるだけ。ちょっと仕上がりは滑らかにいかず少し荒いけど・・・香りはさすがにグー。大好物です。

なんて事をしている時間は本来ないのだけど、自分にとって何が最優先か、そしてタイミングは外さない、そういう事がやっと今できるように・・・。こういう事も気持ちを切り替える為に私には必要で、大分楽になりました。

夜はレーピン&ルガンスキーのデュオがTVでやっていたので、これも今見るしかないと思い・・・実は会場に聴きに行って、いたく感動したコンサートだったのです。席はよりによって一番前の端っこ近く、そんなところに座るのも初めてでしたが、舞台袖から出てくるところから戻るところまでしっかり見え、思わぬ発見もたくさんあって面白かったです。ただ場所が悪いので音はイマイチ・・・サントリーホールの後ろにどのように響いたのか興味があったので、その点では残念。

チケットを買ったのは、実はその時ちょうど本番で弾く事になっていたシューベルトとシェーンベルクのファンタジー、その勉強の為でもあったのです。全く予想できないようなアプローチの演奏でした。何に感動したと説明するのも野暮ですが、昨日少し冷静になって聴いて分かった事。私達聴衆は彼らによってどこか別世界へ連れ出され、その状況に酔わせてもらった。そこに心動かされたのだと思っています。まだまだ終わらないで欲しいと思ったし、時間が経つのが本当に早かった。フランクのソナタはとても激しくその反面とても美しく、忘れられない演奏となりました。そう聴衆に思わせるというのはすごい事。TVの前でもそう感じたのだから・・・。その日の帰り道は夢見心地でした。

クラシックのコンサートは仕事柄よく行きます。たまたま重なったりすると月に10回位という事も。でもピアノは意外とそんなに多くなく、弦や歌が割と多い。ピアノでの表現のお手本にしています。とにかく聴く事も好きで、学生時代には試験やコンクールも片っ端から聴いていた記憶があります。人の演奏を聴くといろいろ分かる事もあるし。

先週の室内楽の試演会の採点をしながら考えた事、その事については又次回・・・。



2004年11月26日(金)     「常備品」

師走ももうすぐ。暑がりの汗っかきでいつも薄着、ジャケットを持っているだけで袖を通さなかった私も、さすがに数日前から温かい格好が出来るようになりました。今週も相変わらず厳しい毎日ですが、お昼から行けば良い日あり、少し空き時間もあり・・・。で、昨日は授業の後久し振りにマッサージに行ってきました。終わったら、レッスンと合わせの続きが待っていたので学校に戻りましたが、体は確かに楽。

体がきついのはなぜか考えてみたのですが、私の毎日持ち歩いている荷物、とにかく重いのです。「どこへ一泊旅行?」と冗談で尋ねられる位。楽譜が重いのは仕方ないとして、何があっても良いようなお助けグッズが多いかもしれません。例えばコンタクトレンズの一式、眼鏡、爪切り、ハンドクリーム、水絆創膏、風邪用の漢方薬(いろいろな症状用の各1回分)、チョコレート、文庫本、空き時間にさらう為の楽譜、などなど。結構これらの出番は多いもの。指が割れても初期に対応できれば痛まないで済むし、風邪も「変だな」という水際で食い止めた事は数知れず。ぶっ続けで合わせをしていると頭が回らなくなってくるので、チョコは毎日一箱ずつ消費しているし、ピアノの前で5分でも時間が空けば慌ててさらう・・・。しかしもう少し軽くならないものだろうか。帰り道の重さは相当堪えます。運良く座れて爆睡している時はともかく。

それでも学生時代、旅行に行く時の荷物の少なさは有名でした。例えば九州に春先5日間でも小さいボストンバッグ一つ。ま、私にも「お気楽な時代」があったという事でしょうか。

今の生活、数年前までの芸大での伴奏助手時代を何となく思い起こさせます(その話は又いずれ)。試験前ともなれば毎日夜まで合わせがびっしり入るのは同じですが、昨日も帰りに歩きながら「何かが違う・・・」。当時芸大では夜8時、既に建物内にあまり人影もなく、薄暗い廊下をとぼとぼと歩いて帰っていました。今洗足では夜9時といっても広いキャンパス内のあちこちから多種多様な音が聴こえ、「夜はまだこれから」といった様相(練習棟は夜10時まで開いているので)。それに、昔はただ弾く事のみに専念すればよかったので、今思えばまだまだ楽。現在はレッスンや授業などと並行してやっているので、気持ちの切り替えも必要です。こちらに来てもこういう事をする事になろうとは正直予想もしなかったけど、根っから好きでなければこれは無理・・・。

あ、前回の欄の小さな訂正。ボルシチに入れるビーツ、何となくいつも「赤いカブ」と言っていましたが、正確にはカブや大根の仲間ではなく、ホウレンソウの仲間(アカザ科)だそうです。テンサイ(サトウダイコン)も同類だそうで・・・。




2004年11月22日(月)     「チェロK子」

珍しく続けて更新です。リンクに1件、友人のサイトを追加したので、良かったら見てみて下さい。

K子とは長い付き合いがありました。「ありました」と過去形なのは、彼女がドイツに行ってから1度も会っていないから。もしかしたら既に10年位?でもその前に高校、大学、そして大学院と同期で、又室内楽も組んでいたので、あまり遠い感じはしないのです。思い起こせば節目節目の大きな出来事は案外重なるなぁと・・・でも随分昔の事だから記憶違いがあったらごめんなさい。

高校時代は一緒に映画を見に行ったり紅茶を飲みに行ったりの仲でした。今でこそ全然映画を観る余裕がないけど、その頃年間に少なくとも20本以上観ていたような気がします。又、当時は美味しい紅茶専門店は少なかったのですが、彼女も私も紅茶党で(今でこそコーヒーも緑茶も中国茶もハーブティーも何でも好きだけど)、放課後わざわざ足を運ぶほどの熱の入れようでした。そして私達の通っていた高校は「芸大附属体育幼稚園」(何故幼稚園なのかはご想像にお任せ)とも陰で呼ばれていた程スポーツも重要視していて、春はテニス合宿、夏は臨海学校、冬はスキー合宿としっかり鍛えてもらいました(今はそれほどでもないようで・・・もったいない!)。テニスは3年間、水泳とスキーは1年次だけが単位取得の為必要でしたが、それに関係なく3年間合宿に皆勤だったのが私達を含めて数人。当然キツイ事もあったけど今思えば楽しかったし、全て高校時代に出来るようにしてもらって良かったなぁと、本当に先生方には感謝しています。

大学時代は、その母校に一緒に教育実習に行った思い出があります。専門教科の授業はソルフェージュ、音楽史、副科ピアノなどいろいろ受け持たせて頂けたので非常に勉強になりましたが、ちゃんと準備していかないと高校生にいじめられそうで(大丈夫でした)、毎日必死に調べて授業に臨んだ記憶があります。音楽高校でピアノを教える事はあるかもしれないとは思ったけど、まさかあの時、後々高校の教壇に立つ事になろうとは思わなかった。人生本当に分からないものです。ちなみに今度1月にリサイタルでお手伝いするチェロの富田さんは、その時実習生として担任を受け持ったクラスにいました。今となっては同じ音楽の道、年齢は関係ないけど。

大学院では1年でピアノ・トリオ、2年でピアノ・カルテットを組み、かなり真剣に取り組みました。室内楽でお世話になった岡山先生の「寝食を共にする程合わせるように」とのお言葉通り、普段の合わせももちろんした上で、休みには車を出して皆でスキーしに行ったり・・・。確か彼女はスキーの指導員資格も持っていて、随分丁寧に教えてもらいました。感謝!冬になればサイトの中にきっとそういう話も出てくるでしょう。それはともかく、その時の室内楽のレッスンで学んだ事は、現在の私の音楽観の礎となっています。

そのピアノ・カルテットで学内のオーディションに合格し、津田ホールで演奏させて頂けた事で弾みがつき、院修了の翌年に京都と東京で初の自主公演を開催!助成金も運良く頂けたし、今思えばよくあれだけ自分達で動けたなぁ・・・と。ひとえに、人並みはずれた発想力と行動力を発揮できるK子のお陰だったと思います。京都まで車に楽器を積みこんで旅行がてら移動したのは、青葉の美しい季節でした。本番での初々しい気持ちと共に、忘れられない思い出です。その経験があったからこそ「もしかしてできるかもしれない」と、ソロの自主リサイタルを始める気になれたのだから。そのピアノ・カルテット、第2回目のプログラムまで考えてあったのに、私以外のメンバー全員が留学した事により延期となり、未だ出来ずじまい。できるものならいつか又やりたいものです。「室内楽を組める相手を大切に」と日頃私が言っているのは、こんな経験があるから・・・。

思い出してみればこんなにいろいろあるもので・・・サイトの写真を見る限りでは全然変わっていないけど、どうなんだろう?懐かしいです。

話変わり、皆さんは生の「ビーツ」を見たことありますか?ボルシチに入れる「あれ」・・・真っ赤なカブです。家では「何が入っているのかはお任せ」の宅配有機野菜を取っていて、時々面白いものが入ってきます。先日、ごろんとした無骨な形の握りこぶし大のサツマイモが来ているなぁと思ったら、何とそれがビーツ!やっと昨日手を出してみる気になったので、ボルシチを作ってみました。いつもは缶詰を使うけど、皮を剥くとまさにあれと同じ鮮紅色の汁が滴り落ち・・・手が真っ赤に染まってまるで指を切ったみたいに不気味。殆ど材料は揃っていたけど牛肉だけなくて・・・ボルシチには絶対牛でしょ、と思ったけどわざわざ買いに行く時間も惜しいので、豚肉で泣く泣く代用しました。食べてみたらイマイチ牛には負けるけど、ボルシチはビーツの風味とキャベツの味がメインだなと納得。手前味噌だけど、久し振りで美味しかった・・・。



2004年11月21日(日)     「練習と本番」

やっと一週間が終わった!という感じがしています。それ位先週はハードだった・・・。ほぼ毎日、朝家を出て夜遅くに帰り、深夜に練習するという生活で、体も心も頭も普通のレベルを維持するだけで精一杯(でも何とか持ちこたえられて良かった〜)。昨日本番が終わって帰宅してからひたすら眠りました。寝ているのになぜかかえって疲れが増した気が・・・。

街を歩いていて初めて気付いた事。クリスマスのイルミネーションがそこここで見られるようになり、クリスマス用のグッズが店頭に並び・・・漠然と「随分気が早いなぁ」と思っていたのに、でもよく考えてみたらあと約1ヶ月!そういえば既に買っているにもかかわらず、手帳に来年のレフィルをまだ入れていなくて毎日不便しているし、クリスマスカードや年賀状も書かなきゃ・・・。考えなければならない事、しなくてはならない事があまりにも多い事に気付いて、一瞬かたまりました。次の瞬間すぐ忘れたけど。

昨日朝一のレッスンに伴奏でついていった学生さんが先生に言われていた事。「朝学校に行く前に1時間はかけてゆっくり音出ししなさい。大きな音でなく小さな音でまず楽器の目を覚まし、そして自分の耳も慣れさせて・・・」。それを聞いていた私も思わず背筋がぴんと伸びました。

自分の現在の状況を振り返ると何も言えなくなってしまうのですが、確かに音楽や自分の出す音に対する姿勢を毎日リセットする感覚は大切だなぁと思います。果たして自分の出す音に責任を持てるかどうか。音色が荒れているのは練習が足りない時ばかりでなく、自分の気持ちが乱れている時でもあるので。あと学校でさらっていて家のピアノに触っていない時が続くと、明らかにピアノの機嫌が悪いです。ほんの1時間でも丁寧に弾いているといい感触が戻ってくるけれど。

その後お昼から夕方にかけて学生さんと室内楽のゲネプロと本番。曲がプーランクだったせいもあるけど、私自身は久し振りになかなか楽しく演奏できました。夜に電話が来た時は「今は反省会の真っ最中、あの演奏ではくやしいので又リベンジするのに付き合って下さい。」なんて事を言っていましたが・・・。理想を高く掲げている事が分かって、それは嬉しかった。ピアニストが見つからないという事でかなり急に頼まれて、期間的に何とか間に合ったような感じでもあり、このメンバーも曲も初めてでしたが、室内楽の原点でもある「音で会話ができる」、これは不思議とある程度できたような気がするのです。もちろん今度リベンジ(?)する時は、いろいろな意味で「熟した」なりの結果が生まれる予感がします・・・。

それに先週は、沢山学生さんと話す機会がありました。私がコンクールやコンサートで伴奏した人はその本番での思いを語り、そしてその演奏を聴いていた人はその感想を話し、私が聴きに行けなかったコンクールやコンサートでの本番を終えた人はその結果報告をしてくれ、これから本番を迎える人はアドバイスを求めに来・・・という具合。全て本番がらみの話となるのですが、自分自身学生の時に疑問に思ったり話を聞いて欲しいと思ったのはやはりこの点だったし、こういう話をするのは結構好きなので、状況がゆるせばとことん付き合います。

いつもレッスンや合わせの際に話すのですが、練習の延長上に本番があるようで、でも実際は全く別物だと思うのです。日々の練習はもちろん大切だけど、どんなに質の高い練習をしていようともそれが本番でのいい演奏に結びつくとは限らない。もちろん練習がおろそかになっているのに本番で偶然いい演奏が生まれる事はありえないけれど。となると何が大切か?皆ここで悩んでいるんだろうなと思います。もちろん私も現在進行形で試行錯誤していることでもありますが。

このあたりの話、「ひとりごと」で書くと長くなるし話も重いし、それで別のページで始めようと思っているのですが、又そういう新しい事を始めるのは時間がかかるもので延び延びになっています。今しばらくお待ちを・・・。



2004年11月17日(水)     「風邪特効薬」

友人のK子から「ホームページを開設した」というメールが来ました。彼女の事は後々ゆっくり・・・。日記は傑作!長らくドイツに住んでいる彼女の昔を良く知る私にしてみれば、「非常に彼女らしく」笑えるし、全く知らない人にしてみてもかなり面白く読めると思います。それを先ほど読んだら、私まで感化されて彼女の文体が移りそう(危ない危ない)。早くリンクしたいんだけど今全く余裕がなくて・・・K子、もうちょっと待って。

優雅に前回あぁいう話を書いたものの、生活は一気にメチャクチャモードに突入。なかなか「ひとりごと」も更新できなくなりそうで、日記的にちょこちょこ書く事にします。学校10時間滞在は元より、家に帰れば譜読みや練習が間に合わず、本気で丑三つ時に毎日さらっています。試験シーズンも冬も近いなぁと実感。初めてみた曲の初合わせは一昨日に1曲、昨日1曲、そして明日も1曲。ラフマニノフのチェロ・ソナタは好きで好きでたまらず、楽譜を買っていつか誰かと一緒に弾ける日を待っていたそんな曲ですが、思っていたよりずっと素敵な曲。そんな中にいつもの授業とレッスンがあり、何回か弾いている曲の合わせが沢山あり、本番もいくつかあり・・・今週はそんな毎日です。体はきついのに、不思議と気持ちは全然きつくない。実は珍しくも先週風邪をひきましたが、どういう訳だか(ありがたい事に)早々と治っています。気が張っているせいかどうか?

私の風邪の特効薬は生姜レモン湯。喉が痛くなり寒気がするけど熱は出ない、そんないつものタイプの風邪です。作り方は簡単。生姜を皮付きのまま適量すりおろし、レモン半個(レモンを絞って製氷皿で凍らせたキューブを常備、これを1つ)、そして大きなスプーン1杯の蜂蜜、これを熱いお湯で溶いてふぅふぅさせながら飲みます。生姜の絞りかすも残さずに。そして寝る時にタオルを必ず首元に。後は「風邪ひいてたまるか!」という気持ち。大体これで何とかなる(時はなります)。

ピアノの前にはいつも居るんだけど、レッスンしていたり合わせをしていたりで、独りでいる時って殆どないかも。こういう状況の時はいつも頭の中で音が鳴っている。好きでやっている事だから全く苦にならないけど、凄まじい時は夢の中でも音が鳴ります・・・。




2004年11月14日(日)     「いつもの生活」

完全に「いつもの生活」に戻ったら、時間が経つのが早い早い。我ながら、今まで良くまぁこんなに頻繁に更新出来たもんだと驚いています・・・。

珍しく昨日はオフ。さすがにコンサート前はさらう(練習する事をなぜか「さらう」と言います)為に家にいましたが、学校がある日は通勤に往復3時間、そして学校に10時間位滞在している事が多いので、そういう日が続くと疲れが溜まってきます。そんな訳で、昨日は「まず寝て、それからさらう」、これが目標でした。良く眠れたので少し体の疲れは取れた気がする。でも他にもやらなきゃならない事はたまっていたし、心と頭が相当疲れていたのもあって、練習は殆どはかどらなかった。最低3〜4時間位まとまった時間がないと練習した気にはならないのです。実際それは難しいので、ちょっとした空き時間の5分10分も大切に練習していますが、こんな事だったら学生時代もっとさらっておくんだった・・・。オフなのに練習というのも変な話、でも自分の為に練習できる時間は、今となってはオフの趣味に匹敵する程大切な時間です。

ピアノ以外は何もしていないんじゃないかと思っている学生さんもいるようですが、時間さえあれば割に何でもやる方です。そういう話は確かにあまりしていないけど、少しずつ少しずつ・・・。

「土いじり」は年季が入っています。祖母や母が好きだったのでしっかり受け継ぎ、子供の時分より春には何を植え、それが終わったら何を植え・・・というような事を独りでやっていました。いろいろあった趣味も今は全然時間がなくてできずじまいだけど、これだけは音楽と同じ位私には必要です。四季折々の「なすべき事」のタイミングがあって、例えば今が球根の植え時とか、春になる前に剪定しておかないといい花が見られないとか・・・水やりもまた然り。生き物だからこそそういう事は何よりも優先!手を大切にと言われようとも素手で何でもやってしまうので(触った感覚が分からないのは嫌)、棘の引っかき傷や手荒れは日常茶飯事。もう殆ど枯れちゃっているけど小さい朝顔が健気に咲いていたりするのを大切にしたいと思うし、空き地や道端に生えている草に小さいけどかわいい花が咲いているのを見つけて嬉しくなったり、踏まれそうな草を掘り取ってきて育てたり(そうやってラベンダーやもみじを救済)・・・なので格好よくガーデニングとは言えず「土いじり」なのです。

いつの間にか朝になっています。せっかく良く寝て疲れを取ったのに、これでチャラ・・・。



2004年11月10日(水)     「福岡のコンサート」

まず最初に、まだ1ヶ月弱ですがこんなに沢山の方々にアクセスして頂いて、ありがとうございます!今やっと冷静に振り返られる心の余裕ができ、「そういえば最初からこんなに多くの方々に見て頂けるなんて・・・」。全く予想外の事です。見て頂けるだけでも有り難いですが、メールを送って下さる方には本当に感謝しています。

さて、やっと本題。福岡のチャリティー・コンサートの中身について。

普段から私は、演奏についての諸々についてかなり考える方ですが、本当にこの頃はいろいろ考えます。私には珍しく「立て続け」だったので、一つ終わるといろいろ考えて次回にその反省を生かしてみるような感じ。今回のコンサートはかなり特別な想いを持って演奏できたのですが、全てここに書いてもキリがないので、冷静になった現在の気持ちをまとめてみます。

11月2日の項に書かせて頂いた師匠の故・井上先生は私の最初の師であり、当時から演奏活動を主にされていました。いつかまとめて書かせて頂こうと思っていますが、本当に素晴らしいピアニストでいらっしゃいました。ある時は瑞々しく又ある時は情熱的に・・・(その演奏の素晴らしさはとても言い表せない・・・)、全ての音に命が吹き込まれ、その音楽はとても温かく、聴衆に何かを語りかけられ、そしていろいろな世界へ連れて行って下さるような、いつもそんな魅力的な演奏をされておられました。亡くなられるまでに何十回(いや、それ以上でしょう)となく演奏を生で聴かせて頂き、その後ろ姿と音楽から本当に沢山の事を学ばせて頂きました。又指導者としても類稀なお力をお持ちで、レッスンでは魔法にかけられたかのような時間を過ごす事となりました。演奏活動がお忙しかったので、子供の頃は月1度、曲がりなりにも私が演奏活動を開始してからはリサイタル間際に年1度、レッスンの中で演奏活動についてのさまざまな事も真剣にお話し下さりました。それは今、何よりも強い心の支えとなっています。コンサート当日ピアノに向かっていたら、そんな時に伺ったお言葉の一つ一つがまざまざと蘇りました。「何十回何百回弾こうともいつでも新鮮な気持ちを忘れないように」。これは、何かある毎に昔から繰り返し繰り返し仰っていたお言葉です。子供の頃はあまりその意味は分かりませんでしたが、今はそう言って頂けた事のありがたみをひしひしと感じています。

前半のモーツァルトのイ短調のソナタとシューマンの子供の情景は、先生が最もお得意とされていたレパートリーでした。モーツァルトのこのソナタを初めてみて頂いたのは約10年前、その頃はモーツァルトをどう弾くかという事に対して、私はあまりにも無知でした。弾きながら当時のレッスンで先生の言われた事が思い出され、その意味が今少し分かるような気がしました。シューマンはぜひ一度聴いて頂きたかったのにそれはかなわず、かえすがえすも残念でなりません。でも先生の奏でられたピアノの響きは、今も耳が記憶しています。音楽が世代を超えて伝わっていくというのはこういう事なのかと、弾きながらその意味を噛みしめていたような気がします・・・。

ごめんなさい。かなり個人的な話になってしまいました。本来は演奏のみで全てを伝えるべきなのかもしれないのですが・・・。タワーレコードのミニ・ライヴでもお話ししましたが、演奏は一回たりとも同じになる事はないのです。別の日に別の場所だったら?そんな事さえこれを書くまでは考えなかった位、あの日の演奏は「必然」だった気がします。「どう弾いたのか」も、「演奏中に何が起きて何を考え、そして客席から何が聞こえたのか」も、全てを記憶しています。なのに自分の精神状態はよく覚えていない・・・だからこそ今回録音を聴くのは怖いし(いつも怖くてなかなか聴けないけど)、どうだったかお客様にお尋ねするのも怖かったり(でも聞かせて頂きたい)するのです。

もう一つ、今回の調律師さんにも本当にいろいろお世話になりました。会場の教会のグランドピアノは普段あまり使われていないそうで、この1週間に集中的に調律(整音と調整?)して下さったとの事。眠っていたピアノが目覚め、恐る恐る歌い始めたような、そんな様子でした。弾きながら「ピアノが生き返った」と感じられた事も、又ずっと聴いていて下さった調律師さんから「どんどん響きが変わっていって驚いた」と言って頂けた事も、嬉しかった事です。それにしてもやはり教会だけあって、いい響きを楽しませて頂きました(私の原点でもあるJ.S.バッハの作品も入れれば良かったかな・・・?)。どうもありがとうございました。

あれから数日・・・いっぺんに「いつもの生活」が戻ってきたような気がします。これからはしばらく普通の話題で気楽に書けそう。それにしてもこの1カ月は一体何だったんだろう・・・?




2004年11月7日(日)      「演奏終わってもまだ・・・」

福岡のチャリティー・コンサートが終わり、帰って来ました。今回も又たくさんの方々がいらして下さってびっくり!本当にありがとうございました。又お世話になりました先生や教会の皆様にも心より御礼申し上げます。今回もまたまたいろいろな事があり、それについて感じ、そして考え・・・どうやら私は昔から、「演奏したら即終わり」って訳にはいかない性格のようです。一昨日早起きして福岡に行って昨日夕方家に戻るまで、その間だけ何だか別の世界に行っていたようで、自分の精神状態も未だよく把握できず。そんな訳でコンサートの中身については、冷静に思い出してから次回書くつもりです。

前回は本番前の事について書いたので、今回は本番直前直後について。

当日はあんな感じで(前回の項を参照)あまり寝ていなかったのですが、我ながら危機感があったのか機内ではまず全曲楽譜にしっかり目を通しました。そんな事を当日にするのは珍しいかも。残り時間で少しうとうとしたらもう福岡。疲れてホテルの部屋でしばらくぼぉーっとしてましたが、結構時間もあって精神状態も悪くないし、思いのほか何か食べられそうと思ったので(ソロの時はかなりナーバスになるのでこういうのも稀)、ふらっと一人でホテルの近くのラーメン屋さんへ行きました。ここで初めて食べた時にあまりの美味しさに度肝を抜かれ、それから福岡に来る度に食べに来ています。本番前だけど無理して又来て良かった・・・。美味しいものは元気が出ます!その後もちょっと辺りを散歩しました。確か春に来た時は某デパートの新館オープン直前だったなぁとか思いつつ。

そして3時からゲネプロ。いつもの如く殆ど休みなしに6時半まで弾いていました(だって初めての会場とピアノは怖いし)。そして開演。新しい発見ももちろん沢山あったし、今回は我ながら良くしゃべりました。聴いてくれた親友が「相当無理してたでしょ?」。さすが良く分かっています・・・。

終わった途端何というか・・・意識が抜け落ちました。いや、もちろん覚えているんだけど、体だけがとりあえずそこにあって魂だけがどこかへ休みに行ったような感じ。毎回毎回本番最中の精神状態は当然違うけれど、今回ほど自分で自分の説明がつかないのも珍しいです。本当に弾きながらいろいろ感じて考えたので。分かりやすく言えば「夢」と一緒でしょうか?目覚めた瞬間現実の世界に引き戻され、でも夢の細部まではちゃんと覚えている。日に日にそれは思い出せなくなってくるけれど、深層心理のどこかにそれは記憶されていて、何かの瞬間にふっと蘇っては又忘れたり・・・確かにピアノは弾いていたけれど、あまり「ピアノを弾いていた」という意識はないです。不思議。

その後連れていって頂いたスイス料理も本当に美味しかったです。ありがとうございました。美味しかった事も話した事もちゃんと覚えているのに、何かあまり現実味がないんですよね・・・。

ホテルに戻って又しばらくぼぉーっとしてました。いつもの宵っ張りズムに加え、そんな精神状態も相まって、本番のあった日は結構朝まで眠れずに起きています。共演者がいる時はお互いに今日の演奏はどうだったかと話したりする内に精神状態がニュートラルに戻っていくけれど、ソロの時は自分がこんな状態なので、演奏がどうだったのか実はかなり不安だったり・・・。

話は全然変わりますが、帰りの飛行機では窓際に席を取りました。目がまぶしさにすごく弱いので、いつもは通路側なのです。春に福岡に来た時は夕暮れの時刻でしたが、たまたまその時窓際に座ったら、飛んでいる間ずっと変わらない美しい夕暮れが見られました。西へ向かって飛んでいるから変わらないのかぁとその時思ったのですが、夕焼けや夕暮れは刻一刻と移ろいゆくから焦って眺める訳で、あんなに落ち着いて眺められる夕暮れというのも新鮮でした。綺麗だった。それをふと思い出して、何かが窓から見えるかなと期待。

昨日は本当にいいお天気だったので、福岡から浜松位まではしっかり下界が見渡せました。てんてんと浮かぶ小島や入り組んだ海岸線、彫りの深い山や谷の起伏を眺めながら、改めて日本の自然は豊かだなぁと感じました。もう全然飽きなくて。その後は薄雲が時折かかって下界が見えない時もあったけど、羽田近くでは海面にオレンジ色の日差しが映り、辺り全体が何か黄金色のもやがかかったような幻想的な雰囲気に包まれていて、えもいわれぬ美しさでした・・・。

とりあえずこれで一区切り。これからは一年中で一番伴奏の忙しいシーズンになります。まず楽譜の整理をしなければ。しばらくは「コンサート情報」に載せるような大きなコンサートはないけれど、年内はコンクールや試験、学生さんのコンサートの伴奏などさしあたって全部で20数曲、それも大体の人は全楽章。うち全く初めての5曲が恐怖です。今すぐプレッシャーをかけないと、初合わせの日の丑三つ時に真っ青になって練習する羽目になるので・・・。



2004年11月5日(金)      「本番前」

これを読んで下さっている方はとっくにお気づきだと思いますが、いつも更新しているのは深夜、もしくは未明・・・典型的な宵っ張りです。何かで聞きましたが、人間には長時間の睡眠を必要とする人と、短くても大丈夫な人、その中間の人の3タイプがあるそうですね。だとすると、私は寝なくても普段は全く平気なタイプ。子供の頃からそうですが、そのお陰で随分助かっています。

という訳で本番は今日これから。今から寝て、朝福岡に向かいます。飛行機の中では集中して楽譜を見るつもりですが・・・多分爆睡するでしょう。でもお天気が続くそうで本当に良かった。気持ちよく本番に臨めるのはもちろん、荷物が多いから傘を差さずに済むのは助かるので。台風が来て飛行機が飛ばなかったら・・・なんて考えたらぞっとします。

練習は本番一週間前位からが佳境。本番よりむしろ、仕上がってゆきつつあるその過程が好きなのかもしれません。ソロの場合は自分で練習の計画を立てられますが、弾けてゆくにつれて時間がどんどん足りなくなります。さまざまなアイデアが浮かんだらそれを一つずつ試してみる時間も欲しいし、放っておくと崩れてくるタッチや暗譜の確認の為、改めてゆっくり弾く時間も欲しいし、リハーサルの録音をチェックする時間も欲しいし、慣れる為と流れをつかむ為にプログラムを全て通す時間も毎日欲しいし・・・考えてみれば、万全の練習が出来て迎える本番なんて今まであったかどうか。でもあらゆる練習をし尽くしていたらきっと飽きてしまって、本番の演奏には新鮮味がないだろうなとも思います。

本番中ももちろん探しています。何か新しい発見がきっとあるはず・・・。



2004年11月2日(火)      「九州」

今日は、なぜかご縁のある九州について。

「ご親戚がいらっしゃるんですか?」と尋ねられる位、九州、特に福岡はご縁があります。そもそも初めて九州に行ったのは高校時代の修学旅行。例年は北海道なのになぜか私たちの学年だけ九州だったのです。ぐるーっと九州一周バス旅行。どこも初めてだったのにその土地土地の個性に魅かれ、又食べ物の美味しさに惹かれ・・・。そして大学時代は、親友が九州の大学に行っていたので毎年春休みに訪ねていました。地元の人でなければ行かないようなところにも車であちこち連れて行ってくれて、とても感謝しています。緑が濃く力強い自然が残っているところ。これが私の九州の印象です。

それからしばらくブランクがあって最近になってしまうのですが、ここ3年ほどは年に2〜3回(あいにく全部仕事がらみですが)福岡にお邪魔しています。ボッセ先生と九響さんと協演させて頂いた事を皮切りに、九響さん関係のオーディションの伴奏を頼まれる事も多く、九響コンサートマスターでいらした後藤龍伸さんにお声を掛けて頂いてリサイタルでご一緒させて頂いたり・・・などなど。

福岡にいらっしゃる方とも不思議なご縁で結ばれているような気がして・・・私の通っていた東京の私立の中学の当時の院長先生は、今は福岡の教会でご夫妻で牧師先生をされています。又、九響さんとのコンチェルトの折、芸大での伴奏助手時代に何度か伴奏させて頂いた当時の学生さんが団員さんで、いろいろと助けてもらいました。そして幼稚園の時に仲の良かった友達、彼女とはそれ以来音信不通でしたが、偶然にも福岡にいる事が分かって演奏会のご案内を出したら、聴きに来てくれてびっくりの再会を果たしたとか・・・。とかく福岡は私にとって、このような不思議なご縁の多い街なのです。

そして忘れてならないのは、私の敬愛する師匠、昨年亡くなられた井上直幸先生が福岡のご出身なのです。生前先生から福岡のお話をお聞きする事はなかったのですが、「井上先生に私もみて頂いていました」という話を聞くようになって、「そうだ、先生確かこちらのお生まれだったっけ」・・・と。まだ1年半しか経っていないのにすごく長い時間が経過したような気もするし、今もどこかで忙しく演奏活動されているような気もする・・・。本当にいろいろなところで不思議なご縁を感じます。

さて、今回チャリティーコンサートの会場となる教会が、先ほど書いた中学の院長先生ご夫妻の今いらっしゃるところ。先生方が来年東京にお戻りになる前に、何かお役に立てる事をさせて頂けたら・・・と思った訳です。福岡で何かある度に聴いて下さり、そして励まして下さる先生ご夫妻には、本当に感謝してもしたりないと思っています。

私の通っていた中学校での思い出はいずれ書くつもりですが、本当に素晴らしい学校生活を送らせて頂き、そして今もつながりのある沢山の友達に恵まれ、それはとても嬉しい事でした。中高一貫教育の学校だったので、高校進学の際に私一人だけ辞めた(もちろん中学の卒業証書は頂きましたが)のはとても寂しい事でしたが・・・今の私の価値観の根っこの部分は、殆ど全て中学時代に培われたんだなぁと思う事もしばしば。

今回も又皆さんいらして下さるそうで、久し振りにお会いできる事を楽しみにしています。いらして頂けるというのは本当に嬉しくありがたいものです・・・。



2004年11月1日(月)      「渋谷でのミニ・ライヴ」

昨日のタワーレコード渋谷店でのミニ・ライヴには、思いがけずも沢山の方々が来て下さいました。ありがとうございました!洗足学園は学祭の真っ只中なのに、そんな中駆けつけてくれた学生さんには本当に感謝!知っている顔が会場の中に見えると安心するものですし、又初めての方々に聴いて頂けるというのも非常に嬉しいものです。お世話になりましたタワーレコードやナミ・レコードの方々には心より御礼申し上げます。


お客様の反応がダイレクトに分かるというのもなかなかいいものと実感。話す事に夢中になっている割には、ちゃんとお客様それぞれの表情は見えています。うんうんと頷きながら聞いて下さる方を見つけて「自分のしゃべり方は分かりにくくはないらしい」と安心した事も、弾いている最中あまりにも静かでびっくりした事も、ちゃんと覚えています。舞台からでもちゃんとお客様からのオーラ(?)は感じ取れますが、昨日みたいな明るくてお客様が近いところでは逆にこちらの心情が丸見え?



何せ不器用なもので頭の中は一点集中型・・・切り替えは昔より随分うまくなったと思いますが、それでもしゃべる時は脳味噌の別のところを使うのか、弾く事との両立は並大抵のことではありません。例えば授業などは話す事に絞れるし、コンサートは普通は演奏に集中できるものだし、その点ずっと楽。集中する事には普段困らないタチです。調子がよければ何時間集中しても平気。集中できない時はあっさり諦め(てやめる、か、寝)る。その辺の見極めも早くなりました(良いんだか悪いんだか・・・)。今日のも何とか無事に終わった事で、これからやっと金曜日のプログラムの練習に身が入ります。


プログラムを当日まで発表しなくて良いとなると意外に迷うもの。夏にヤマハ銀座店でやらせて頂いた時とは、敢えてプログラムは変えました。考えた事は、CD収録曲は2曲、それ以外に2曲。最初の曲は初めて触るピアノでも弾きやすくて耳なじみのいい曲、最後の曲は暗い短調の曲は避けて希望が見える曲に。全部ゆっくりの曲にならないように一つは動きのある曲を入れよう・・・とか考え出すとキリがなく、今回のプログラミングはどうだったかな?と気になります。


話す内容も、曲順と絡めてどういう展開にしたらいいか・・・こういうのは慣れていらっしゃる方ならアドリブでお出来になる事だと思うのですが、せめてピアノの上にキーワードを記したメモでも置ければ楽なのに。結局弾きながら思い出す羽目になりました。でも頭を回していたのは最初の2曲だけで、考えるより演奏に集中しようと思った・・・ら、このHPの事を話すのをケロッと忘れました。


弾きながら思ったのは、「ゆったりとした中身の重い曲がやっぱり好き」。テンポの速いリズミカルな曲も好きだけれど。音と音との間合いや休符って意味深いものだと分かっていたつもりですが、最近やっとそれを表現出来るようになりつつあります。それは・・・室内楽や伴奏から学んだ事かもしれないし、それとも自分の中でいろいろ変わってきた事があるのでしょうか。


会場でもお話しした事ですが、音楽って祈りだなぁと思うのです。あ、もちろんそれが全てという訳ではないし、人それぞれ考え方や感じ方は違うのであくまでも私の場合。一人で部屋の中で弾いて楽しむ事も出来るけど私にはそういう概念はなく、音楽とは誰かに聴いて欲しかったり或いは想いを伝えるものであったり・・・。「この想いが届きますように」。これが音楽の原点でもあり、そして祈りではないかと。


5日は福岡でチャリティーコンサート。このコンサートをやらせて頂く事になった経緯や、何かとご縁のある九州についての話は次回に。今度も一応トーク付きですが、主に曲目についての解説にしようかなと思っています。改めて曲についての知識を確認しなくては。さすがに次の話題が思い出せない事はないと思うけど、それでもやっぱり慣れない事はコワイので・・・。


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